発表

1B-056

影響力のある顔の評価における評価者属性による違い

[責任発表者] 鳥居 さくら:1
[連名発表者] 井邉 彩#:2, [連名発表者] 多田 明弘#:2
1:神戸松蔭女子学院大学, 2:ポーラ化成工業

目 的
 外見的魅力があると誠実さや知性といった望ましい特徴を持っていると人は考える傾向を持っていることが示されている (Langlois, J. H., et al., 2000)。さらに人に対する判断をする際に外見が果たす役割は意識されていないことが示されている(Budesheim, T. L., 1994)。このような傾向について、年齢や性別といった評価者の属性で判断が異なる可能性が考えられる。今回は、女性の顔画像を対象に、自分の人生に影響を与えると感じられる程度の評価をもとに、評価者属性による違いについて検討する。

方 法
評価画像 女性272名(19~82歳、平均49.1歳、SD=16.9)の顔を、同意の上、デジタルカメラで撮影した。画像処理ソフトを用いて、髪と首を取り除き、1,024×1,024画素の画像に変換し、左右の瞳孔が一定の位置になるように大きさと位置を調整した。
評価者 40名(男女各20名、平均38.8歳、SD=10.9)であった。
手続き 評価者はパソコンのモニターに呈示された顔画像を見て「あなたの人生に影響をどの程度与えそうか」を「悪い影響を非常に与えそうだ(1)」から「良い影響を非常に与えそうだ(7)」の7段階で評定し、キーボードで入力した。顔画像はランダムな順序で呈示した。
解析 SPSS(株)製SPSS Ver.-22JとANOVA4を用いた。

結 果 と 考 察
 顔画像の年齢分布は、10代が5枚、80代が3枚と少なく、20代41枚、30代42枚、40代44枚、50代52枚、60代46枚、70代39枚のため、20~70代の顔画像264枚に対する評価を用いて解析することとした。顔画像の年代(20, 30, 40, 50, 60, 70代)、評価者の性別(男性・女性)と評価者の年齢(39歳以下・40歳以上)を独立変数とし、「人生に影響をどの程度与えそうか」の評価を従属変数とした6×2×2の分散分析をおこなった。平均値をFig.1に示す。
 分散分析の結果、顔画像の年代、評価者の性別、評価者の年代の主効果がみられた(F(5,258)=2.94, p<.05, F(1,258)=8.14, p<.01, F(1,258)=16.33, p<.001)。また顔画像の年代×評価者の年代の交互作用、顔画像の年代×評価者の性別×評価者の年代の交互作用がみられた(F5,258)=13.16, p<.001, F(5,258)=3.88, p<.01)。交互作用が有意だったことから、単純主効果の検定をおこなった。
その結果、評価者が男性で40歳以上のとき、評価者が女性で40歳以上のときに、顔画像の年代の単純主効果が有意であった(F(5,1032)=9.18, p<0.001, F(5,1032)=2.42, p<.05)。顔画像が20代で評価者が40歳以上のとき、顔画像が50代で評価者が40歳以上のとき、顔画像が70代で評価者が40歳以上のときに、評価者の性別の単純主効果が有意であった(F(1,516)=5.04, p<.05, F(1,516)=5.71, p<.05, F(1,516)=12.81, p<.001)。また、顔画像が20代で評価者が男性のとき、顔画像が50代で評価者が男性のとき、顔画像が60代で評価者が男性、女性のとき、顔画像が70代で評価者が男性、女性のときに評価者の年代の単純主効果が有意であった(F(1,516)=23.46, p<.001, F(1,516)=3.98, p<.05, F(1,516)=22.12, p<.001, F(1,516)=9.97, p<.001, F(1,516)=38.36, p<.001, F(1,516)=10.43, p<.001)。
以上のことから、顔画像の年代が若いほうが人生に良い影響を与えると感じる傾向は全般的に見られ、そのなかでも特に40歳以上の男性評価者は、評価対象の女性の顔画像が40歳以上より39歳以下のほうが、つまり自分より年下のほうが、自分の人生に良い影響を与えてくれそうだと感じる傾向が高かった。良い影響を与えてくれそうだと感じられる女性の顔は、評価者の意識の有無に関わらず、若い外見を持っており、それは40歳以上の男性において現れやすい評価基準となっていることが示唆された。
引用文献
Langlois, J. H., Kalakanis, A., Rubenstein,A. J., Larson, A., Hallam, M., & Smoot, M. (2000). Maxims or myths of beauty: A meta-analytic and theoretical review. Psychological Bulletin, 126, 390-423.
Budesheim, T. L., & DePaola, S. J. (1994). Beauty or the beast? The effects of appearance, personality, and issue information on evaluations of political candidates. Personality and Social Psychology Bulletin, 20, 339-348.

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