発表

1B-042

大学1年生のストレスコーピングが入学初期の心理・生理的ストレスに与える影響の検討

[責任発表者] 小山 義徳:1
[連名発表者] 長根 光男#:2
1:千葉大学, 2:埼玉医科大学

目 的

本研究は,大学1年生入学初期の新しい環境への適応過程において,ストレスコーピングスタイルが,心身状態の指標としての心理的ストレス及び生理的ストレス感受性にどのような影響を与えているのか経時的に明らかにすることを目的とする.大学1年生を対象に,4月から7月の4ヶ月間の生理的及び心理的ストレス度を測定した.更に,ストレス度が低下する学生としない学生のストレスコーピングスタイルの違いを検討することで,大学新入生が新しい環境に適応する過程において,効果のあるストレスコーピングスタイルが存在するかを検討した.

方 法
対象:大学1年生27名
時期:2016年4月から7月まで
方法:本研究の目的である「大学という新しい環境に対する心身の適応状況を経時的に測定すること」を説明し,プログラムに参加する学生を募りデータ提供の依頼をした.具体的には,4月から7月までの4ヶ月間,毎月1回唾液中に含まれるコルチゾール等を測定し,生理的なストレス指標とした.また,「大学生用ストレス自己評価尺度」(尾関,1993)を用いて,大学に入学直後の新入生の心理的ストレスを「情緒的混乱」,「引きこもり」,「身体的疲労」,「自律神経系」の4種類に分けて4件法により測定した.また,ストレスに対してどのように対処するかという「ストレス・コーピング」(尾関,1993)を「問題焦点型」,「情動焦点型」,「回避・逃避型」に分けて測定した.更に,独自に加えた3項目として 「家族への相談」,「大学の友だちへの相談」,「大学以外の友だちへの相談」を含んだ質問項目に月一回,回答してもらった.

結 果
図1.問題焦点コーピング高群の心理的ストレスの経時変化
図2.問題焦点コーピング低群の心理的ストレスの経時変化
図3.問題焦点コーピング高低とコルチゾール値の経時変化

考 察
「原因を見つけようとする」,「状況を変えるよう努力する」等の項目から成る,「問題焦点型コーピング」が低い学生は,4月から7月にかけて心理的ストレスが下がる傾向にあった(図2).また,「問題焦点型コーピング」が高い学生は4月の時点で既に心理的ストレスが低く大きな経時変化はなかった(図1).一方,問題焦点型コーピングが高い学生のコルチゾール値は減少傾向となり,問題焦点型コーピングが生理的なストレスと関連している可能性が示唆された(図3).
引用文献
尾関友佳子(1993).大学生用ストレス自己評価尺度の改訂-トランスアクショナルな分析に向けて-.久留米大学大学院比較文化研究科年報,1, 95-114.

本発表は公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンターの研究助成を受けた.

詳細検索