発表

1B-008

BigFiveとMMPI-1/MINI/MINI-124の改訂

[責任発表者] 村上 宣寛
[連名発表者] 村上 千恵子

概要

学芸図書の廃業に伴い、主要5因子性格検査とMMPI-1/MINI/MINI-124関係の書籍、ソフトウェアを筑摩書房から配布することになった。そこで、全体的なハンドブックの見直しとソフトウェアのバージョンアップを行った。全体的な改訂点として、精神障害の診断名をDSM-5に変更したこと、臨床現場のアセスメントに応用できる事例や、認知行動療法による治療効果を紹介したこと等が挙げられる。

BigFive/LittleBigFive

ビッグ・ファイブ・モデルは、名前が何らかの実体を表すと言うギリシャ時代の思想に起源がある。19世紀後半に始まった性格表現用語の辞書研究や、それに基づく膨大な因子分析研究の蓄積を経て、1980年代に性格が主要な5つの因子で記述できるというコンセンサスが得られた。

ビック・ファイブ・モデルとはこのような語彙アプローチから提案されたもので、世界の様々な国で確認されている。性格因子は、外向性、協調性、良識性、情緒安定性、知的好奇心の5つでほぼ記述できる。

このモデルに基づいて作成されたのが「主要5因子性格検査(70項目)」BigFiveであり、児童用としては「小学生用主要5因子性格検査(小学4年〜6年、51項目)」LittleBigFiveがある。ビック・ファイブという5つの性格尺度に加えて、妥当性尺度として不応答と頻度尺度に、BigFiveでは建前尺度が、LittleBigFiveでは問題攻撃性尺度が追加されている。

BigFiveの標準化は、全国の住民票(一部地域では電話帳)から4100名を多段階無作為抽出して有効な回答1166名をもとに、青年期、成人前期、成人中期、成人後期の世代別に行われた。LittleBigFiveの標準化は、11の小学校の4〜6年生1674名で行われた(科研No.20530588)。

テスト形式としては、コンピュータ方式、カーボン方式、マークカード方式、解釈サービスがある。Webバージョンは準備中である。ハンドブックには、社交不安症を認知行動療法に基づいて治療した詳しい臨床事例、研究のトピックスなどが掲載されている。

bf MMPI-1/MINI/MINI-124

MMPI-1はMMPI(ミネソタ多面人格目録)の拡張版(566項目、129尺度1指標)である。その短縮改訂版としてMINI(250項目、26尺度1指標)とMINI-124(124項目、24尺度1指標)がある。MMPI-1/MINI/MINI-124は、うつや不安など様々な精神症状を客観的に測定する質問紙で、1992年、学芸図書から発行されて以来、四半世紀以上にわたって臨床現場やメンタルヘルス、採用人事、調査研究に広く使われている。

MMPI-1、MINI、MINI-124性格検査では、全国の住民票から4700名を多段階無作為抽出して、有効な回答1178名をもとに青年期、成人前期、成人中期、成人後期の世代別に標準化が行われた。その結果、世代により解釈を主観的に変更する必要がなくなった。

臨床尺度の高得点尺度の組み合わせ(スパイクやプロファイル・タイプ)の解釈には、臨床上有用な診断印象や治療要件の情報が網羅されている。MMPI-1、MINI、MINI-124のバージョンアップに当たり、すべての3ポイント・コードの情報を実装した。

診断名をDSM-IV-TRからDSM-5にアップデートし、治療要件では、エクスポージャーや行動実験を取り入れた認知行動療法、マインドフルネス等、できる限りエビデンスの確認された治療法を提案した。

テスト形式としては、コンピュータ方式、マークカード方式、解釈サービスがある。Webバージョンは準備中である。ハンドブックには、精神症状の異なるうつ病の3事例、社交不安症、作為症のテストの特徴と治療による変化、顎変形症患者と歯科矯正患者の心理的傾向を紹介した。



引用文献

筑摩書房 サポート  big5-support@chikumashobo.co.jp
村上宣寛・村上千恵子 2017 主要5因子性格検査ハンドブック 三訂版. 筑摩書房.
村上宣寛・村上千恵子 2017 MMPI-1/MINI/MINI-124ハンドブック 改訂版. 筑摩書房.



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