発表

L-001

顔の記憶と言語の関係:心理学実験と計算論的アプローチによる検討

[講演者] 波多野 文:1, [司会者] 川口 潤:2
1:高知工科大学, 2:名古屋大学

我々は日常的に自分の経験を言葉で整理したり,他人に伝えたりする。しかし,例えば,自分が出会った人物の特徴を,“目が大きい”,“髪が短い”のように言葉で表現することが,かえって顔の記憶を損なうことがある。このような現象は,言語陰蔽効果と呼ばれる。言語陰蔽効果のメカニズムを解明することは,いかに目撃者の記憶を損なわずに犯人の情報を取得するかといった応用的問題だけでなく,人間の認知における言語の役割や機能を明らかにする上でも重要である。本講演では,言語化される情報の違いが言語陰蔽効果の生起にどのように影響するかを検討した研究,ニューラルネットワークによる言語陰蔽効果シミュレーションから,先行研究において提案された仮説の妥当性について検討した研究を報告する。これらの研究を通じて,顔の言語化がヒトの記憶にどのように影響し,再認を妨害するのか,そのメカニズムについて検討する。
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