発表

ITL-008

幸福感と社会関係の文化的基盤―個の幸福と場の幸福―

[講演者] 内田 由紀子:1, [司会者] 島津 明人:2
1:京都大学こころの未来研究センター, 2:北里大学

これまでの研究から、心の理解には文化を考慮にいれることが欠かせないことが明らかにされている。特に幸福感を含めた感情や、対人関係の仕組みの文化的基盤を理解することは重要である。総じて日本社会においてはより協調的で対人志向的なものとして幸福が定義されている一方で、協調性や対人志向性は、個人の内的状態を最大化する目標とは相反する可能性もある。本講演では、我々の研究チームがこの数年進めてきた、地域(農業・漁業・都市)や組織(企業・職場)などの、国単位より小さな単位での文化と幸福感の関係に焦点をあてた研究を紹介し、個人の幸福と場の幸福の関係性についての知見を述べる。また、人の感情や行動、社会関係の作り方が、生業形態での活動に適応する形で生じているという可能性や、組織の中にある制度環境と適応感との関連について述べる。最後に、研究が抱えている課題を整理し、今後の研究の方向性について議論する。
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