発表

ITL-007

ベイズ統計学と心理学

[講演者] 繁桝 算男:1,2, [司会者] 長谷川 寿一:3
1:慶応義塾大学, 2:東京大学名誉教授, 3:東京大学

ベイズ統計学は、大きなサンプルを対象におびただしい数の変数について観測して得られたデータから有効な情報を引き出し、意思決定に役立てる知見を得るために脚光を浴びている。心理学でもそのようなデータは多く、そのための方法論としてベイズ統計学が重要である。しかし、ベイズ統計学的な見方の心理学への影響は、そのような実用的な意味合いだけではない。心理学は他の諸科学と比べて方法論的な困難が著しいが、ベイズ統計学は心理学の方法論の基盤となる発想である。また、一方では、日常的意思決定のモデルとしてのベイズ統計学の役割も深く考察する必要がある。通常ベイズ統計学に基づくモデルは規範モデルとされており、それはある意味では正しいが、心理学的意思決定モデルの多くはベイズ統計学の発想の枠によって説明できる。本講演では、このような観点から、ベイズ統計学と心理学の間の興味深い関連について考察する。
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