発表

一般研究発表(ポスター)
1AM-014

Facebook利用とSNSの効用および主観的幸福感の関係性に関する研究

[責任発表者] 松坂 泰介:1
[連名発表者] 岩淵 千明:2
1:まな星クリニック, 2:川崎医療福祉大学

目 的
インターネットの普及に伴い,mixiやFacebookに代表されるソーシャルネットワーキングサービス (Social Networking Service 以下,SNS) の利用者が急増するという現象が起きている (総務省,2011) 。この現象に伴い,SNS利用に関する諸研究がおこなわれている。Facebookに代表されるSNS利用に関しては,その利用が悪い影響をもたらすという報告 (Kross, Verduyn, Demiralp, Park, Lee, Lin, Shablack, Jonides, & Ybarra, 2013) と,良い影響をもたらすという報告 (Valenzuela, Park, & Kee, 2009) とがある。また,Facebook利用に関しては,その効用についての研究もおこなわれてきている。SNSの効用はFacebookなどのSNSを利用することによって得られるとされている (小寺,2009) 。SNSの効用については,既存の関係の強化・知識・情報獲得・新たな出会いといった3因子が存在すると報告されている (小寺,2009) 。さらに,Facebookの利用頻度と主観的幸福感との関係性に関する研究においては,主観的幸福感を“個人の人生に対する感情と認知の両面からの評価”(Diener, 2000, p.34) と定義している。
これらのことから,本研究はFacebookの利用頻度,SNSの効用,主観的幸福感の関係性に注目して検討していく。

方 法
調査協力者 K大学の在学生219名 (男性87名,女性132名) を分析対象者とした。分析対象者の平均年齢は,20.24歳 (SD =3.29) であった。調査時期 2014年1月から2月であった。調査方法 A大学の講義時間を利用して,質問紙の配布と回収をおこなった。質問紙構成 SNS利用 SNSをFacebookと設定して,Facebookを利用の有無を尋ねた。Facebookを利用していると回答した人を対象に,Facebookの利用期間,利用頻度,利用内容,Facebook上での友人の数を尋ねた。 SNSの効用 小寺 (2009) が作成したSNSの効用尺度を用いた。この尺度は,既存の関係の強化 (15項目) ,知識・情報獲得 (8項目) ,新たな出会い (8項目) の3因子で合計31項目から構成されている。回答は5件法である。 主観的幸福感 伊藤・相良・池田・川浦 (2003) が作成した主観的幸福感尺度を用いた。この尺度は,人生に対する前向きな気持ち (3項目) ,達成感 (3項目) ,自信 (3項目) ,人生に対する失望感のなさ (3項目) の4因子で合計12項目から構成されている。回答は4件法である。

結 果
まず,SNSの効用尺度 (小寺,2009) の因子分析 (主因子法,バリマックス回転) をおこなった。その結果,小寺 (2009) の結果とは一致しなかった。このため再分析をおこない,各因子項目について解釈をおこない,第1因子は既存関係の強化,第2因子は情報取得,第3因子は自己表出と命名した。
 次に,Facebookの利用頻度からSNSの効用を媒介し,主観的幸福感に影響を及ぼしていることを検討することを目的に, Facebookの利用頻度とSNSの効用を説明変数,主観的幸福感を目的変数とする共分散構造分析をおこなった。分析には,Facebookを利用している者86名を対象とし,利用頻度の多い者12名を1,低い者20名を2とダミー変数化をおこなった。適合度指標は,χ2 (0) = .00, ns, GFI=1.00, CFI=1.00, AIC = 12.00, RMSEA = .311であった。また,Facebookの利用頻度からSNSの効用を媒介し,主観的幸福感に影響を及ぼしていることを検討するために,Facebookの利用頻度とSNSの効用各因子を説明変数,主観的幸福感を目的変数とする共分散構造分析をおこなった。適合度指標は,χ2 (0) = .00, ns, GFI=1.00, CFI=1.00, AIC = 30.00, RMSEA = .398であった。
図1は有意なパスのみを示している。図1から,Facebookの利用頻度からSNSの効用,およびSNSの効用である既存関係の強化,情報獲得,自己表出の各因子に有意な正の影響を及ぼしていることが認められた。しかし,Facebookの利用頻度から主観的幸福感に有意な影響は認められなかった。また,SNSの効用各因子から主観的幸福感に有意な影響は認められなかった。これらのことから,Facebook利用頻度からSNSの効用を媒介して,主観的幸福感に影響を及ぼしているとは認められなかった。

考 察
これらの結果から,Facebookの利用頻度が高くなるとSNSの効用を得ることができたが,主観的幸福感には影響を及ぼさないということが認められた。すなわち,Facebookの利用頻度が高くなることで,様々な効用を得る機会が増えることが考えられる。しかしながら,SNSの効用が得られたとしても,それは主観的幸福感に影響を及ぼすものではないことが考えられる。

詳細検索
アプリバナー iPhone版,iPad版 Android版