演題

OP-063-7

携帯型マイクロ波エネルギーデバイスと抗焦げ付き表面加工の開発

[演者] 清水 智治:1
[著者] 仲 成幸:1, 赤堀 浩也:1, 村上 耕一郎:1, 谷 眞至:1, 山田 篤史:2, 谷 徹:2
1:滋賀医科大学消化器外科, 2:滋賀医科大学 バイオメディカル・イノベーションセンター

はじめに:電源利用が制限される救急・災害現場で強力な止血力を有する携帯型エネルギーデバイスは現在のところないと考えられる。平成24-26年度に経済産業省によるサポートを受け、半導体マイクロ波発振器を小型化し携帯可能で十分な止血効果を得られる手術機器の開発を行ってきた。また、各種エネルギーデバイスを使用する際に、手術機器に付着する炭化物いわゆる“焦げ付き“は、手術機器の性能を低下させ手術・止血操作の支障となる。最適な抗焦げ対策を行うことは効率的な止血操作を可能とする。抗焦げ対策についても合わせて検討したので報告を行う。
開発機器および性能:リチウムイオン電池を電源として窒化ガリウム半導体を用いたマイクロ波発振器と増幅器からなる携帯型半導体マイクロ波発生装置を開発した。この発生装置に最適化した止血器具は鑷子型と鉗子型器具を開発している。A4版の大きさで、重量は約5kg、2.45 GHzで最大40Wの出力でマイクロ波を発振する。発振器の作動状況は良好で、延べ約2時間程度の実験を行い、実際のマイクロ波照射時間は25分32秒でバッテリー消費は2/3程度あった。大型動物の各種臓器・血管などを用いて止血力を確認し実用に耐え得る性能と考えられた。抗焦げ対策として、金属メッキと溶射技術を用いた表面加工について各種素材の検討を行った。最も効果を認めたフッ素化合物添加した有機ケイ素膜(500nm)と現在市販品に用いられているポリテトラフルオロエチレン比膜(PTFE、116.5 μm)を比較検討したところ、生体安全性試験と抗焦げ機能では有機ケイ素膜とPTFEはほぼ同等であった。比膜厚の非常に薄い有機ケイ素膜は様々な手術機器に応用できる可能性がある。
結論:携帯型マイクロ波エネルギーデバイスは救急・災害現場のような電源のない場所で緊急止血に活用できる可能性が示唆された。この機器は手術室での一般外科用手術用機器としても応用が可能であると考える。

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