演題

特別ビデオセッション—メスの限界に挑戦した手術—
SV-15

左開胸,後腹膜アプローチによる全弓部-胸腹部大動脈置換

[演者] 大北 裕:1
1:神戸大学心臓血管外科

[目的]上行大動脈-全弓部-胸腹部大動脈人工血管置換術の手術手技を供覧する.[患者]1999年10月から2013年12月まで左開胸-後腹膜経路で上行大動脈-全弓部-胸腹部大動脈人工血管置換術を 10例に施行した.年齢は53.4±11.8才(27-65才)で,男性7名であった.すべて慢性A型大動脈解離を有し,先行手術は Bentall手術 2例,上行大動脈置換5例,腹部大動脈置換1例であった.[手術]手術は右半側臥位,左後側方開胸-後腹膜経路で胸腹部大動脈を露出し,大腿動脈送血,大腿静脈・肺動脈脱血を用いた低体温体外循環を使用した.脳保護法は全例,順行性灌流法を行い,まず,上行弓部全置換術を行い,心・脳循環用の送血路を確保した後,下半身灌流下に胸腹部大動脈置換術を行った.大動脈は分節遮断とし, Adamkiewicz 動脈に連なる肋間動脈を再建,腹部分枝灌流を行いながら分枝を再建し,腹部大動脈置換を行った.[結果]病院死亡を1例(10.0% 脳・冠動脈塞栓症)で失った.新たな脳梗塞を1例,脊髄障害2例,肺炎1例を合併した.体外循環時間は 279±40 (232-338)分,心虚血時間 63±22(32-107)分,脳灌流時間76±23(53-123)分であった.[結論] 左開胸-後腹膜経路による上行大動脈-全弓部-胸腹部大動脈人工血管置換術は大動脈解離の遺残病変を一気に解決できる有用な方法であるが,手術侵襲が大きく,高リスク患者への適応は慎重にすべきである.
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