演題

PLS-2-5

腹部大動脈瘤外膜の脂肪細胞が病態に及ぼす影響

[演者] 田中 宏樹:1
[著者] 山本 尚人:1, 犬塚 和徳:1, 佐野 真規:1, 斎藤 貴明:1, 杉澤 良太:1, 片橋 一人:1, 矢田 達朗:1, 瀬藤 光利:2, 海野 直樹:1, 今野 弘之:1
1:浜松医科大学第二外科・血管外科, 2:浜松医科大学解剖学

腹部大動脈瘤(AAA)の病態は、動脈壁局所の慢性炎症と考えられているが、動脈硬化性疾患とは異なる。特に、動脈瘤破裂の機序は不明であり、普及している複数のAAAモデルマウスでは、ヒトのように破裂しないことが病態解明を難しくさせている。疫学上では、血清triglyceride(TG)高値が破裂の危険因子であるが、AAA組織の脂質分子を解析した報告はない。今回、我々は脂質を分子レベルでイメージングできる質量顕微鏡法を利用し、ヒトAAA30例の組織における脂質分子の局在を解析し、AAA外膜にTGが蓄積していることを見いだした。さらに病理組織学的な検討から、これらのTGは主に脂肪細胞から検出されたものであることが判明した。さらに大動脈壁を占拠する大型化した脂肪細胞から炎症性サイトカイン、プロテアーゼが分泌されていた。脂肪細胞によって大動脈壁強度を保つ弾性線維、膠原線維が減少し、動脈壁の抗張力の低下が動脈瘤の破裂に関与することを示唆した。
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