演題
PLS-1-2
Cancer Associated FibroblastsによるCXCL12/CXCR4シグナル活性化を介した胃癌浸潤メカニズムの解明 |
【目的】胃癌は依然死亡率の高い悪性腫瘍の1つであり他臓器転移も稀ではない。cancer associated fibroblasts (CAFs) が様々な癌腫の増殖・転移に関わるCXCL12/CXCR4シグナルを活性化することが報告されている。胃癌においてCAFs及びCXCL12/CXCR4シグナルが果たす役割の解明を目的として研究を行った。【結果】胃癌根治切除例110例で、血管浸潤とCXCL12発現との間に相関関係を認め、CXCL12高発現群が有意に予後不良であった。胃癌細胞株と当科で樹立したCAFsの共培養にて遊走能が亢進し、CXCR4 antagonistによって抑制された。CAFsのconditioned mediumにより胃癌細胞株の細胞膜上でintegrinβ1が安定化し、下流のFAKがconditioned mediumにてリン酸化されることを確認した。いずれもCXCR4 antagonistにて阻害された。【結論】CXCR4 antagonistを用いてCXCL12/CXCR4シグナルの活性化を阻害することにより胃癌の浸潤・転移を抑制する可能性が示唆された。