演題

DB-17-1

全麻下腹腔鏡手術

[演者] 当間 宏樹:1
[著者] 江口 徹:1, 林 早織:1, 豊田 秀一:1, 岡部 安博:1, 小原井 朋成:1, 成富 元:1, 廣田 伊千夫:1
1:原三信病院外科

【はじめに】近年、内視鏡外科の進歩がもたらした高画質で繊細な手術映像により、微細な解剖構造の解明が進み、緻密で合理的な手術手技の追求が可能になってきた。ヘルニア外科のゴールの一つは再発ゼロを可能にする理想的な手術の実現である。腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術は、拡大視効果により、複雑な腹膜前腔の膜構造を認識しながら必要最小限の侵襲でヘルニアの根治を可能にする手術である。当院では、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TEP)を平成8年に導入し、以来、26年4月までにTEPを約700例に施行してきた。当院では、TEPを成人鼠径ヘルニアに対して、first choiceの術式と位置づけているが、ヘルニア再発や嵌頓、下腹部手術既往のある症例などに対しては、TEPの適応は慎重を期している。【TEPの手技】全身麻酔(ラリンゲアルマスク、ブロック麻酔併用)下に、臍下部正中で腹直筋前鞘を切開し、拡張バルーンで約2分間、腹膜前腔の鈍的剥離を行う。バルーン拡張を解除した後、気腹を開始し、12mmカメラポート、その5cmと10cm足側に2本の5mmポートを挿入し、計3ポートで操作する。腹膜前腔の操作は、鏡視下での膜構造を意識した鈍的・鋭的剥離を行う。直接型の場合、偽ヘルニア嚢を鈍的に剥離し、還納する。間接型の場合、ヘルニア嚢を精管、血管が腹膜前筋膜に包まれたままの状態で剥離を行う。軟らかい半吸収性のシート型メッシュで、myopectineal orifice全体を覆い、吸収性タッカーで固定する。【結果•考察】腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術は全身麻酔や高価な内視鏡外科手術用器材を要するため、前方アプローチによる鼠径ヘルニア修復術よりも、一般には煩雑で大掛かりな印象があるが、当院ではTEPを日帰り手術や短期滞在型手術にも積極的に適応しており、殆どの症例で予定退院となるなど、術後治療成績は良好である (平成26年8月現在まで計278例)。また、近年では、拡張balloonを用いないTEP法にも取り組み、手術コストの抑制を図っている。本発表では、当院での成人鼠径ヘルニアに対するfirst choiceとしてのTEPの治療経験を顧みて、その臨床的意義について検討する。
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