演題

DB-15-2

TEVAR

[演者] 倉谷 徹:1
[著者] 島村 和男:2, 白川 幸俊:1, 鳥飼 慶:2, 阪本 朋彦:2, 四條 崇之:2, 渡辺 芳樹:1, 加藤 雅明:3, 澤 芳樹:2
1:大阪大学低侵襲循環器医療学, 2:大阪大学心臓血管外科, 3:森之宮病院心臓血管外科

胸部大動脈瘤に対するステントグラフト治療(TEVAR)は、根治性と革新的を併せ持った低侵襲手術であり、弓部大動脈領域にもその適応は、拡大されつつありその成績も向上している。ただ我々はTEVARの導入により、違う分野の治療方法が導入されたのではなく、大動脈治療の治療オプションが拡大したと考えており、その両方の術式を使えることが大動脈治療において不可欠であると認識している。近年、世界的に議論となるのは、TEVARに対する遠隔成績とであり、胸部下行大動脈疾患に対しては、多くの遠隔期成績が論ぜられているが、弓部大動脈疾患に関しては未だ明確ではない。今回はその成績を用いて、弓部大動脈疾患に対してTEVARが一つの治療オプションであることを検討した。 1993年より当チームが施行した3615例の大動脈手術において、ステントグラフトを用いた低侵襲治療を2813例に施行した。その内、弓部大動脈疾患に対して892例を行い、384例にOpen stent graftingを行い、頚部バイパスを併用したTEVAR(debranching TEVAR)を518例施行した。Zone1および2を中枢側Landing zoneとしたdebranching TEVAR:211例の遠隔期成績は生存率において73.5%/5年、62.8%/10年、大動脈関連死亡回避率が87.8%/5年、85.2%/10年と良好な成績を得ることが出来た。これは当科のOpen stent graftingと比較すると、遠隔期において非劣性が認められた。またZone0症例(上行大動脈Landing)に関して、当院ではtotal debranching TEVAR及びbranch deviceを用いたtotal endovascular arch repairを行っている。その中期成績は生存率が77.5%/5年、大動脈関連死亡回避率が87.3%/5年、大動脈イベント回避率が77.9%/5年であり、最近のtotal arch open repairと比較しても遜色ない成績であった。 以上により当院の弓部大動脈疾患に対する低侵襲手術は、中期、遠隔期成績においてopen repairと比較して非劣性が認められるものであった。弓部大動脈疾患に対する外科的治療において、open repairおよびTEVARの両方を施行することが、その成績向上につながるものであり、各施設でこの2つの術式を行える環境を作ることが肝要であると思われる。
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