演題

DB-12-2

単孔式

[演者] 朝隈 光弘:1
[著者] 米田 浩二:1, 井上 善博:1, 清水 徹之介:1, 廣川 文鋭:1, 今井 義朗:1, 宮本 好晴:1, 林 道廣:1, 内山 和久:1
1:大阪医科大学一般・消化器外科

単孔式腹腔鏡手術が登場して約5年が経過した。本ディベートセッションでは単孔式胆嚢摘出術を導入すべきと考える立場から発表をする。[低侵襲性] 傷を全く必要としない手術概念として登場したNOTES研究の延長線上に登場した単孔式手術は、低侵襲性が期待される。当科では単孔式胆嚢摘出術導入時に、従来式腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)との術後疼痛の比較(POD1 VASscore)を行い、有意に単孔式群で疼痛の軽減を認めることを報告した。(Asakuma et al. Br J Surg. 2011 Jul;98(7))他にも同様のRCTがいくつか報告されているが、結果は様々である。その理由として臍の傷のありかたが、使用するポートや、各施設でのやり方が大きく異なっている事が考えられる。我々は臍部を完全に反転し、正確に「臍のへそ」を狙った1.0cmの切開を使用することで、臍部直下の筋膜欠損孔を活用したポート挿入を行っている。結果従来式の時代のカメラ用ポートの創部よりも整容性、疼痛ともに優れていると考える。[教育]レジデントがトレーニングとして行うべき手術をそのような高度な手術にして、取り上げてしまうのはいかがなものか?という意見がある。我々は手技の標準化に取り組み、現在までに38名の様々な経験年数の外科医が術者として合計455例の単孔式胆嚢摘出術を行ってきた。卒後10年目以上でLCの技術がある程度完成している術者8名をA群、10年目以下でLCの経験を有する13名をB群、3年目以下のLC未経験の術者17名をC群とし、その平均手術時間を検討すると、それぞれA群(n=327):82±34分、B群(n=80):106±37分、C群(n=14):119±28分で、各群間に有意差を認めるが、全く胆摘術の経験の無いC群でも2時間以内に手術を終了出来た。[経済性]最後に、軽視出来ない効果として経済性が挙げられる。腹腔鏡下胆嚢摘出術の保険点数は21500点と決して高くはない。当科では単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の登場まではある意味完成された統一した術式で行っていたため、ポートに関しては非償還の手術材料費は53000円であった。本術式導入の際、これらを見直し現行の方法で13400円に抑えることに成功している。[結語]各々の項目の改善の効果は、単孔式の導入にあたって改めて腹腔鏡下胆嚢摘出術と正面から向き合った結果であり、新たな変更を積み重ねながら現在の形となった。疑問を抱くこともなくLCを行っていた頃よりも胆嚢摘出術のクオリティも向上していると考える。
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