演題

DB-12-1

従来式

[演者] 小林 隆:1
[著者] 三浦 宏平:1, 石川 博補:1, 相馬 大輝:1, 永橋 昌幸:1, 滝沢 一泰:1, 坂田 純:1, 亀山 仁史:1, 皆川 昌広:1, 小杉 伸一:1, 小山 諭:1, 若井 俊文:1
1:新潟大学消化器・一般外科

腹腔鏡下胆囊摘出術は1990年に本邦に導入され、今や胆囊結石治療のgold standardである。単孔式腹腔鏡下手術の導入など、内視鏡外科技術の進歩は目覚ましいが、従来式腹腔鏡下胆囊摘出術は腹部外科医にとって早期に習得すべき基本手術の1つである。胆囊および胆囊周囲の炎症が軽微な症例に対して、安全で確実な従来式腹腔鏡下胆囊摘出術を推奨する。1.手術手技に関して 内視鏡手術を安全に行うために必要なことの大原則は①良い視野を得ること、②triangular formationを確保することの2点である。単孔式での問題点は①に関して5mmのフレキシブルスコープなどを使用しても鉗子とスコープとの干渉を完全になくすことはできず視野確保が困難な場面があること。②に関してはtriangular formationを形成するために糸や針金で胆囊を牽引したり、屈曲可能な鉗子を使用したりする必要があること。更に鉗子をクロスさせる、鉗子の操作は浅深を中心に行うなどのテクニックが必要であり難易度が高いことである。腹腔鏡下胆囊摘出術において最も重要なポイントの一つが左手鉗子でHartmann囊を7時方向へ牽引しCalot三角を展開する手技である。この手技によりcritical viewの安全な確保が可能となる。一方単孔式ではCalot三角の展開は不十分になりやすい。また、手術を安全に施行するためには術式の標準化、定型化が必要と考えるが、①multi-channel法か、multi-trocar法か、その他の方法か、②純粋に単孔で行うか、つり上げ糸(あるいは針金など)を入れるか、③追加の細径器具を挿入するか、④鉗子は可変式や屈曲型を用いるかなど様々あり標準化は困難であると考える。2.手術成績に関して メタアナリシスの報告が数多く見られているが、単孔式の明らかな利点は整容性のみであり、従来式に比べると以下の様な欠点、問題点が挙げられる。①手術時間を延長させる。②面倒で術者のストレスが多い。③合併症増加の可能性がある。④若い外科医の教育に適さない。 今後当面は腹腔鏡下胆囊摘出術を単孔式で行う施設、従来式で行う施設、オプションとして行う施設が混在すると考えられる。単孔式手術自体の難易度が高い手術である以上、安全性を担保するために熟練医が行うことはやむを得ない。従来式であれば後期研修1年目の外科医に対しても安全性の高い指導が可能なことから、今後も当科において従来式を原則行う方針である。
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