演題

DB-11-1

空腸間置

[演者] 國崎 主税:1
[著者] 牧野 洋知:1, 木村 準:1, 高川 亮:1, 林 勉:1, 大田 貢由:1, 円谷 彰:1, 小坂 隆司:2, 秋山 浩利:2, 遠藤 格:2
1:横浜市立大学市民総合医療センター消化器病センター, 2:横浜市立大学消化器・腫瘍外科

目的:早期胃癌に対する噴門側胃切除術後の空腸間置術(空腸嚢間置術含む)の有用性について検討する。方法: 2001年4月から2013年3月までに, U領域の早期胃癌に対して噴門側胃切除術を施行し、1年以上経過観察した78例を対象とした。再建術の内訳は, 空腸間置群67例(空腸嚢間置術44例), 食道残胃吻合群11例であった. うち、内視鏡外科手術を行ったのは、それぞれ32例、10例であった。群間で術中因子、術後短期成績、長期成績を比較検討した。手術手技:迷走神経肝枝、幽門枝、腹腔枝は温存し、前/後胃枝は切離する。幽門輪から10cmの部小彎にマーキングをおき、水平な線を大弯側に引き切離する。リンパ節郭清後に再建となる。採取空腸長は空腸間置術で15-16cm, 空腸嚢間置術で25-26cmとした。完成時には、それぞれ10cm長の間置腸管/間置腸管嚢となる。食道空腸吻合は、25mmの自動吻合器を用い、空腸間置術時の空腸残胃吻合は、25-28mmの自動吻合器で残胃前壁のほぼ中央で残胃切離端から約4cmの部位で行う。空腸嚢間置術時の空腸残胃吻合は、手縫い吻合で層々吻合する。成績:術前因子:年齢 (66.0/64.3)、性別 (M/F=53/14 vs 8/39, BMI (23.1/22.0), 開腹歴(15/3), ASA score (1/2/3=26/40/1 vs 6/4/1)で、群間に差がなかった。手術時間(min)は、空腸間置群、食道残胃吻合群で313.0/220.6と間置群が有意に長く出血量(ml)は396.4/102.9と多かった。リンパ節郭清個数 (21.7/20.2)には差がなかった。術後合併症は9/2 (縫合不全4,縫合部出血2,膵液瘻1,呼吸器1,SSI1vs呼吸器1,SSI1)と差がなかった。術後3,6,9,12か月後の体重,経口摂取量,Alb値は,空腸間置群で6か月の経口摂取量(%)は有意に多く (65.8/55.5), 血清Alb値 (mg/dl)は高い傾向を認めたが (4.2/ 4.0), 他の項目、時期では差がなかった。経時的な有症状率の検討では,空腸間置群において9か月で有意に少なく (16/7), 6か月で少ない傾向を認めた(23/7)。食道残胃吻合群で逆流症状が強い症例が多く、PPIを全例で内服していた。一方、空腸間置群では継時的に内服症例が減少した。1年後の内視鏡検査有所見例は30/6と差を認めなかった。空腸間置群で空腸内食物残渣所見が多かったが、逆流性食道炎の頻度は低く(4.5%)、程度は軽かった (LA分類 M)。結論:空腸間置術の手術侵襲は大きかったが、6−9か月後のQOLは良好で、長期的にはPPIなどの内服治療継続が不必要になり得る。
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