演題

DB-9-1

腹腔鏡手術

[演者] 川嶋 寛:1
[著者] 東間 未来:1, 田中 裕次郎:1, 藤雄木 亨真:1, 鈴木 啓介:1, 天野 日出:1, 森田 香織:1
1:埼玉県立小児医療センター外科

【はじめに】高位鎖肛に対する造肛術に腹腔鏡が導入され約10年以上が経過し、近年では多くの施設で行われている。腹腔鏡補助下造肛術は術式の改良が加えられ、小児内視鏡手術の分野における標準化した術式の1つである。高位鎖肛に対する腹腔鏡手術の有用性について検討したので報告する。【対象】当院で鎖肛に対する腹腔鏡補助下手術を開始した2000年5月から2014年4月までの39例を対象とし、手術術式について詳細に検討した。【結果】39例のうち、分類では直腸尿道瘻22例、Cloaca6例、直腸尿道球部瘻3例、直腸膀胱瘻3例、直腸膣瘻2例、無瘻孔3例であった。男:女=30:9、体重は7.2(±1.2)kgで、平均手術時間は226±72分であった。合併症は、直腸の吻合不全が3例認められ、その他ポート部の出血、膣損傷、創感染などが認められた。【術式】当院で行っている方法は、腹腔鏡下に直腸の剥離を行い、尿管の確認、尿道瘻の切離を行う。特に直腸尿道瘻の確認には、必要に応じて膀胱鏡を併用し直腸側から瘻管に向けてカテーテルを挿入し、尿道までの距離を計測し尿道壁に出来るだけ接近した部位で瘻管の切離を行っている。腹腔鏡下に恥骨直腸筋を確認し、筋刺激を行い恥骨直腸筋の中心を確認している。肛門側より腹腔内に向け剥離を行い、恥骨直腸筋の中心にバルーンを挿入し括約筋のブジーを行い、恥骨直腸筋や肛門括約筋を切開することなく直腸の引き下ろし経路を作成し肛門に吻合している。【考察】高位鎖肛に対する腹腔鏡手術は、腹仙骨会陰式手術に比べ腹壁や肛門部の筋肉の損傷が少ない。また、直腸断端や尿道瘻、筋層を拡大視することで周囲組織の損傷が少ない手術が可能で術後の肛門機能の獲得に有用であると考えられる。問題点としては、直腸断端の遺残や尿道の損傷があった場合の対応が難しいことなどがあげられる。また以前より恥骨直腸筋と肛門括約筋の間が盲目的な剥離になることや恥骨直腸筋や括約筋の中心を捉えることが難しい可能性があるなどの議論されている。これら手術術式について詳細に検討を加え報告する。
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