演題

DB-6-2

MICS

[演者] 伊藤 敏明:1
1:名古屋第一赤十字病院心臓血管外科

【目的】僧帽弁手術に於いて、第一選択としての右小開胸アプローチ(MICS)の妥当性を評価した。【方法】2010年10月から2014年7月の間、MICSを第一選択として僧帽弁置換/形成(MVR/MVP)を行った153例を対象とした。左室流出路心筋切除術時、予定外MVPを行った2例は除外。MICS除外基準は高度動脈硬化、大動脈、冠動脈の同時手術、緊急手術とし弁病変の複雑度、再手術、体型は除外基準に含めなかった。男68例、平均年齢64.8(21~85)歳。僧帽弁病変はCarpeitier分類I型14、II型112、IIIa型20、IIIb型3、その他4例。病因としてはfibro elastic deficiency(FED) 100例、Barlow型7例、感染性心内膜炎(IE)9例、リウマチ熱(RF)16例、硬化変性4例、弁輪拡大10例、虚血性心筋症2例、心筋炎後心筋症1例、先天性3例、弁周囲逆流1例。通常MICSに好適とされる後尖(含交連)のtype II病変は87例であった。体外循環は鼠径カニュレーション、軽度低体温。106例は完全内視鏡下、他は小開胸直視下に施行。同時手術はメイズ24例、TAP 34例、AVR2例。13例は再手術。【結果】入院死亡無し。手術時間 258±61分、体外循環172±50分、大動脈遮断時間123±37分。MVRは主にRF15例に施行。MVPを試みて術中MVRコンバージョンは1例であり、同症例は同時に唯一正中切開コンバージョン。形成手技は切除縫合、人工腱索の2法を適宜組み合わせ複雑病変には自己心膜補填形成を10例に施行。MVP例全例が退院時mild以下MRであったが6例が溶血を伴うMR再発しMICSによる再MVP4例、MVR1例施行(延べ人数に含む)。透析患者の1例の再手術は正中切開MVRとした。脳梗塞1例、下肢虚血障害0、再膨張性肺水腫0。【考察】4割は両弁尖、複雑病変を対象としたが操作上の制限はあっても結果的にはあらゆる病変に対応可能であった。 鏡視下手術では漏斗胸、肥満者でも十分な視野が得られ直視下MICSの限界を超える事が出来た。MR再発は複雑病変以外では、前尖がtethering気味のため深いcoaptationが得られなかった例に生じた。単に正中切開なら回避出来た類の稚拙なミスではなかった。【結論】MICSにより基本的にあらゆる僧帽弁病変に対応可能であり、美容的利点を考慮すれば施設によりMICS(右開胸)を僧帽弁手術の標準アプローチとして良い。ただし直視下MICSは限界があり、鏡視下手術があらゆる条件に柔軟に対応できる。
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