演題

しない

[演者] 秋吉 高志:1
[著者] 大野 吏輝:1, 永田 淳:1, 長嵜 寿也:1, 小西 毅:1, 藤本 佳也:1, 長山 聡:1, 福長 洋介:1, 上野 雅資:1
1:がん研有明病院消化器センター消化器外科

【背景】大腸癌治療ガイドラインには側方郭清の適応基準として「腫瘍下縁が腹膜翻転部より肛門側にあり、かつ固有筋層を超えて浸潤する症例」と記載されており、この基準のもと側方郭清を行うと郭清症例の20%前後に側方転移が認められる。しかし、CT/MRI等の画像診断の質が飛躍的に向上してきた中、この「側方転移陽性症例」には術前画像で描出可能な症例が多く含まれていると考えられ、画像上側方転移が明らかではない症例に対する予防的側方郭清の必要性やその適応については議論の余地があると思われる。当院では2004年以降原則画像診断に基づいて予防的側方郭清は省略している。今回当院におけるデータから予防的側方郭清省略の妥当性について検討した。【対象】workstation上で連続画像を確認できる2004年7月から2010年12月までに当院で根治手術を施行した、ガイドライン上側方郭清の対象となるRb/RabかつcStageII/III(fStageIV除く)244症例。16列MDCTを用いて側方リンパ節の最大長径・短径をretrospectiveに測定。【結果】男性/女性=158/86、年齢(以下中央値)61.5(24-85)、腫瘍肛門縁距離40mm(0-80)、術前治療(NAC)を138例(57%)、側方郭清を63例(26%)に施行。側方郭清非施行群(TME群,181例)と施行群(LPLD群、63例)において、側方リンパ節転移はLPLD群の29例(46%)に認めた。TME群とLPLD群を比較すると、男性(66 vs 62%、p=0.6465) 、腫瘍肛門縁距離(50 vs 40 mm、p=0.0032)、NAC(55 vs 62%、p=0.3766)、術前長径7mm以上の側方リンパ節描出率(4 vs 71%、p<0.0001)、間膜内リンパ節転移陽性率(41 vs 38%、p=0.6585)であった。生存者の観察期間中央値は61.5か月(3.5-118)で、全症例、TME群、LPLD群の5年局所再発率(LR、遠隔再発後の局所再発も含む)はそれぞれ6.8%、6.9%、6.5%であった。側方リンパ節(明らかに骨盤壁内に沿った再発は除く)に由来する可能性のある再発をTME群に5例(2.8%)、LPLD群に3例(4.8%)認めたが、TME群の3例には鼡径、膣後面、傍大動脈リンパ節など他領域の再発を伴っていた。NACを施行した側方転移25例の5年全生存期間:77%、5年無再発生存期間:75%、5年LR:4.2%と過去の報告と比べてきわめて良好な成績であった。【結論】術前画像診断に基づいて予防的側方郭清を省略することは局所再発率、再発形式から見て妥当であり、今後は精度の高い術前診断と個々の症例の再発リスクに応じた治療戦略が求められる時代になると考えられる。
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