演題

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[演者] 絹笠 祐介:1
1:静岡県立静岡がんセンター大腸外科

JCOG0212の報告では、術前診断にて側方転移リンパ節がなくとも側方リンパ節転移は7.4%に認められた。側方郭清に関しては、大腸癌研究会プロジェクト研究における直腸癌2916例の分析では、ガイドライン通りの適応にて、側方転移率は20.1%であり、骨盤内再発リスクは50%減少し、5年生存率は8~9%改善すると予想されている。一方、直腸癌に対して側方郭清が行われていない欧米で行われた臨床試験では、術前化学放射線療法により局所再発の低下が示されているが、生存率の向上は示されていない。本邦の大腸癌専門施設においては,下部直腸進行癌に対しては TME あるいは TSME+側方郭清が標準的に行われており,生存率、局所再発率共に良好な成績が報告されており、欧米で標準である術前化学放射線療法は積極的には行われていないのが現状である。JCOG0212でも側方郭清は、手術時間の延長と出血量の増加を認めるものの、術後合併症および泌尿生殖器障害はTME単独と同等であることが示された。一方,術前放射線療法には腸管障害、排便障害、性機能障害、2次癌発生などの有害事象が報告されており、本邦における術前化学放射線療法の局所再発低減における上乗せ効果、あるいは側方郭清の代替としての有効性については、有害事象も考慮した、適切に計画された臨床試験での評価が必要である。術前化学放射線療法はあくまで、局所再発の低減を目的としており、TMEおよび側方郭清の技術(成績)によって、足りない部分を補うべきである。術前化学放射線療法に関した3つのRCT(対象症例はいずれもAV15cmもしくは16cmまで)における局所再発率5.6-11%である。当院で2002-2012年に行った開腹側方郭清症例(Rb T3以深)の局所再発率は5.4%であり、当院においては現時点で術前照射線治療は必要ないと考えている。
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