演題

Circular stapler

[演者] 瀧口 修司:1
[著者] 宮崎 安弘:1, 牧野 知紀:1, 高橋 剛:1, 黒川 幸典:1, 山崎 誠:1, 宮田 博志:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学消化器外科

腹腔鏡下胃全摘術(LTG)は再建手技が煩雑なこともあり、普及の鍵はその再建手技にある。当科では、2001年6月からLTGを施行し、これまでに150例を越える症例を経験してきた。多くは、食道空腸のかがり縫い再建を行い現在では標準としている。手順は以下の如くである。1.食道断端をかがり縫いし、アンビルを挿入固定し、エンドループで補強する。2.空腸脚は、犠牲腸管や辺縁動脈を切離し、緊張無い状態で吻合するようにデザインする。3.空腸空腸(側側)吻合を先行して行う(体外)。4.空腸脚の吻合部を腹腔内に戻し、腸間膜の表裏がわかるようにピオクタニンでマーキングする。5.アンビル本体の結合の前に緊張具合を確認する。吻合器の結合は、本体のセンターロッドをアンビルシャフトに突き刺すように結合する。6.ノブの回転に際し、食道断端の過剰な牽引を避けて本体を腹腔内に挿入するようにする。(食道の過剰な牽引は吻合部狭窄、縫合不全につながるため特に留意する。) 7.挙上腸管の吻合部への巻き込みをさけ、吻合時に挙上腸管を引き出しておく。8.リークテストを行い、陽性時は縫合補強する。9.空腸間膜の欠損部とPetersen’s defectは縫合閉鎖しておく。手術成績は、初期の100例をまとめて報告(GastricCancer 2013)しているので紹介する。その成績は以下の如くである。2012年4月までのLTG 100例、手術時間、出血量、合併症(Clavien-Dindo分類Grade II以上)術後短期成績をまとめた。年齢(中央値)は63歳、リンパ節郭清はD1+を95例、D2を5例に施行し、7例(7%)には脾摘を併施した。手術時間(平均)は249分、出血量(平均)は182mLであった。Grade II以上の術後合併症は8例(8%)、Grade III以上の術後合併症は10例(10%)に認めた。食道空腸吻合を4例(4%)、十二指腸断端縫合不全2例、膵液瘻を5例(5%)、腸閉塞、内ヘルニアをそれぞれ1例(0.9%)に認めたが、再手術を要した症例はなく、全例軽快退院した。手術成績は決して満足するものでは無いが、初期症例からコツやピットフォールがあることは認識でき、現在では開腹手術と同等の成績が出せるものと考えている。Linear staplerによる吻合との大きな違いは、食道の長軸方向への剥離が不要であり、再建トラブルに対する対応が比較的安全である点が本吻合のメリットと考える。一方、デメリットは、途中に再建操作が入ることで再建操作のリズムが悪い点があげられる。
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