演題

SP-7-3

日本消化器外科学会の立場から

[演者] 瀬戸 泰之:1
[著者] 遠藤 格:2, 渡邊 昌彦:3
1:東京大学消化管外科, 2:横浜市立大学消化器・腫瘍外科, 3:北里大学外科

Impact Factorが業績評価基準として重要視されるようになり、邦文誌の在り方が問われている。また、世界に発信するツールとしての意義を疑問視する声もある。一方、和文としての重要性を重視する見方もあり、日本消化器外科学会雑誌としても、その在り方を検討してきている。本雑誌は編集委員の献身的貢献により、雑誌としての質は一貫して維持されており、ちなみにTop publication in Japanese(和文ジャーナル上位100誌)の中では8位(医学系では1位)となっている。しかしながら、2009年と2012年において投稿数を比較するとそれぞれ485,319本と減少していることがわかる。採用率も35.9%, 23.5%と低下しており、投稿論文の質の低下が懸念されている。また、採用原著数が20本,6本と減少しており、原著論文の英文化傾向の反映と考えられる。このような状況において、本雑誌は様々な取り組みを行っている。書誌情報(要旨等)のテキスト化,全文のPDF化に加え,2012年7月以降,表現力の向上を目的に全文のテキスト化(XML化)も行っている。全文HTML化は和文誌では初の事例であり、これにより,図表をすべてカラー化して縮小拡大を自由にし,動画を埋め込むことも可能になった。また、国際規格に準じたXML化なので、今後PubMed等への収載を目指すことも可能になっている。前述のように、編集委員会、理事会等で今後の在り方を検討してきているが、現時点では以下の理由から、和文掲載を引き続き維持することとなっている。・臨床の現場で実際に役立つ情報をお届けする(実際の現場では母国語による貴重な症例報告のほうが読みやすくて役立つことが予想される)。・若手論文製作の登竜門としての意義(まずは母国語で、いきなり英文は無理があるかもしれない)。・研究成果をオンライン・ジャーナルで一般公開して母国語で市民に還元する。・和文誌であってもScopusといった世界最大級の抄録・引用文献データベースに書誌情報は収載されたので,国際化はある程度達成されている(英語abstractが収載)。英論文雑誌の意義は高いものと考えるが、国際化時代にあっても邦文学会誌も必要であり、それは学会員だけではなく我が国一般社会や消化器外科医になる可能性を秘めた若手にも向けられたものでなければならないと考える。
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