演題

映像による私の手術手技
2015-04-17 08:00 - 08:30

左右肺動脈連続性確保のために肺動脈形成術を併施する体—肺動脈短絡術

[演者] 新保 秀人:1
[著者] 小沼 武司:1, 小林 晶:1, 阪本 駿介:1, 真栄城 亮:1, 山本 直樹:1, 金光 真治:1, 島本 亮:1, 天白 宏典:1, 高尾 仁二:1
1:三重大学胸部心臓血管外科

肺動脈閉鎖合併疾患では根治術が2心室修復、フォンタン型手術いずれを目指す場合にも肺動脈形態、血管抵抗が重要な因子となる。肺動脈閉鎖合併例では動脈管が肺血流のソースになるが、動脈管と左右肺動脈の合流部分の形態によっては動脈管が収縮や閉塞したのち、左右肺動脈の連続性が消失するあるいは同部が狭窄する例が少なくない。肺動脈形成術を併施しない場合、新生児期、乳児期早期、体—肺動脈短絡術後にプロスタグランディン投与中止を契機として左右肺動脈連続性消失や狭窄が発症すると反対側の肺動脈に別の体—肺動脈短絡術を置くか次の手術時までに肺動脈形成術が必要となり得る。一方、新生児期、乳児期早期に行われる体—肺動脈短絡術の際に肺動脈形成術を行うためには補助手段として体外循環を必要とすることもあり、広く行われている戦略とはなっていない。我々は動脈管と左右肺動脈の合流部分の形態により左右肺動脈の連続性に懸念がある例では新生児期においても積極的に形成術を行っており、手術のビデオを供覧する。手術は胸骨正中切開にて行う。左大動脈弓であれば右腕頭動脈から右鎖骨下動脈にかけて剥離する。正中からであっても右鎖骨下動脈への吻合は問題なく行える。肺動脈の剥離を行う。動脈管の流入部付近の剥離は最後に行うようか体外循環装着後に行っている。人工血管と鎖骨下動脈との吻合は体外循環時間短縮のために先に行っておくことが多い。上行大動脈送血、右房1本脱血で体外循環を開始する。我々は本術式の場合は通常の体外循環ではなくECMO回路に吸引回路を組み込んで低容量充填のシステムを作成して行っている。動脈管を離断、左右肺動脈を確認し、動脈管組織は可及的に切除する。左右肺動脈形成は8-0もしくは7-0モノフィラメントで縫合する。左右肺動脈の径は小さく、2mm前後のこともある。そのため背面は連続で、前面は結節縫合として吻合部狭窄を起こさないように心がけている。肺動脈形態によりときに形成部分に自己心膜を補填することもある。術後ときにバルン形成術を要することもあるが多くの例で左右均等に近い肺動脈形態が得られる。
詳細検索
アプリバナー iPhone版,iPad版 Android版