演題

内用療法不応性をどのように判断するか

[演者] 絹谷 清剛:1
1:金沢大学核医学診療科

甲状腺分化癌(乳頭癌、濾胞癌)は、人体に生じる癌腫の中で最も予後のよいものである。放射性ヨウ素内用療法は、切除不能な局所再発や遠隔転移を来した症例における治療オプションであり、病巣集積を示せば、肺転移では寛解も期待できる一方で、局所再発及び骨や肺以外の実質臓器の転移に奏功することは必ずしも多くない。初期に有効であったものが、数回の治療後に増悪に転じることも少なからず経験される。放射性ヨウ素無集積例も少なくない。これらの症例では、TSH抑制下に経過観察をする経過の中で、一部は未分化転化を来すか、それに近い低分化な状態となって急速に進行し、外照射や化学療法を試みるものの最終的に癌死に至る。したがって、このような変化を来す前になんらかの手立てが必要であり、そこに分子標的薬が期待される所以である。 2014年6月に、ソラフェニブに「根治切除不能な分化型甲状腺癌」の効能・効果が追加された。その添付文書には、国際共同第Ⅲ相臨床試験DECISIONのデータが臨床成績として提示された上で、この内容を熟知して適応患者の選択を行うこと、放射性ヨウ素による治療歴のない患者に対する有効性・安全性は確立していないことが、注意書きとしてあげられている。DECISIONでは、ヨウ素無集積、内用療法後の病勢進行、600 mCi以上の累積投与、の3点がエントリー基準として挙げられている。要約するならば、内用療法後も悪化している症例ということになるのだが、はたして、皆さんは”内用療法不応性”をスムーズにイメージすることが可能であろうか。個々の症例にあたって、苦労なく判断できる症例ばかりではないであろう。本講演では、症例を提示しつつ、不応性の定義をどのように考えるべきか、お伝えしたいと思う。
詳細検索
アプリバナー iPhone版,iPad版 Android版