演題

PD-22-7

当科における傍腎動脈腹部大動脈瘤に対する治療成績

[演者] 前田 剛志:1
[著者] 金岡 祐司:1, 小澤 博嗣:1, 大森 槙子:1, 手塚 雅博:1, 馬場 健:1, 百川 文健:1, 福島 宗一郎:1, 瀧澤 玲央:1, 萩原 慎:1, 宿澤 孝太:1, 原 正幸:1, 金子 健二郎:1, 太田 裕貴:1, 墨 誠:1, 黒澤 弘二:1, 立原 啓正:1, 戸谷 直樹:1, 佐久田 斉:1, 石田 厚:1, 大木 隆生:1
1:東京慈恵会医科大学外科

【はじめに】 傍腎動脈型腹部大動脈瘤(PRAAA)は通常の腹部ステントグラフト(EVAR)では対応困難であり、治療は人工血管置換術(OS)を第一選択としている。しかしOSハイリスク症例に対してはsnorkel techniqueやfenestratedグラフトを用いることでEVARを行うことが可能であり、今回われわれはOSとEVARの治療成績を検討した。【対象と結果】 過去8年間で治療を行ったPRAAAは155例(破裂例を除く)であり、うち人工血管置換術(OS群)が81例、ステントグラフト術(EVAR群)が74例であった。EVAR群ではsnorkelを行ったものが40例、fenestrated EVARが34例であった。平均年齢はOS群:71歳、EVAR群:77歳で、平均動脈瘤径はそれぞれ5.8cm、5.5cm男性はそれぞれ69例(85%)、66例(89%)であった。OSでの遮断部位は片側腎動脈上28例(9.8%)、両側腎動脈上47例(58.0%)、上腸間膜動脈上4例(4.9%)、腹腔動脈上2例、(2.5%)であった。平均手術時間はOS群:363分、EVAR群:282分、平均出血量はそれぞれ3200(うちセルセーバー2200)ml、550mlであった。手術死亡はOS群:2例(2.5%)、EVAR群:1例(1.4%)に認め、術後合併症はOS群が7例(8.6%)、EVAR群が5例(6.8%)であった。OS群における合併症の内訳は心不全が1例、急性腎不全(ARF)が6例であった。ARFでは一時的な透析を行ったものの全例で離脱可能であった。EVAR群の内訳はARF3例、心筋梗塞1例、腸管壊死が1例であり、1例に維持透析となった症例を認めた。術後平均入院期間はOS群で15.5日、EVAR群で8.6日であり、EVAR群で有意に短かった。(P<0.001)。生存率は1、3、5年でOS群:97.5%、95.5%、90.5%EVAR群:95.1%、92.6%、87.7%、動脈瘤関連死回避率は1、3、5年でOS群:97.5%、97.5%、97.5%、EVAR群:98.6%、98.6%、98.6%と、ともに良好で有意差は認めなかった。二次治療回避率は1、3、5年でOS群:92.5%、92.5%、92.5%、EVAR群:89.8%、80.8%、62.5%であり有意差はないがEVAR群で傾向にあった。【結語】 PRAAA治療の第一選択は人工血管置換術であるが、ハイリスク症例に対するEVARの初期・中期成績は概ね良好であった。しかしながらEVAR群は二次治療を要することが多く、現時点ではハイリスク症例に限定して施行すべきであろう。
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