演題

PD-20-1

Acute care surgeryとどう取り組むか —外科医、救急医の立場から— 外科医、救急医の立場からみられる問題点

[演者] 伊東 昌広:1
[著者] 石原 慎:1, 浅野 之夫:1, 津田 一樹:1, 志村 正博:1, 越智 隆之:1, 清水 謙太郎:1, 林 千紘:1, 堀口 明彦:1
1:藤田保健衛生大学胆膵外科

今回われわれは、日常行われている臨床特に腹部救急時の対応について日頃の起こっている問題点について実例を挙げて検討する。症例1:40歳、女性。交通事故で腹部打撲。腹部CTで、肝S1にIIIa型、S4にIIIb型の肝損傷と膵損傷を認めた。ERP施行し主膵管の断裂を認めIIIb型と診断した。肝臓はIVRにて止血施行。その後膵は手術となった。しかしこの手術の術式決定において救急医の立場からは“アメリカのエビデンスで膵は脾臓合併の体尾部切除してください。Letton-Wilson手術は禁忌です!”との意見があった。しかし当科では、現在までに膵切除650例近く経験しこれまでもLetton-Wilson手術にて救命してきた経験もあるため術中の所見にて判断することとなった。結果的に、Letton-Wilson手術を施行。出血量400gにて終了。術後23日で退院となった。症例2:58歳男性。交通事故で腹部打撲。来院時BP89/42 HR110心窩部を中心に圧痛をみとめ採血、造影CT施行したところ腸間膜からの動脈性出血を認めたため、緊急手術施行した。開腹にてトライツ靭帯から20cmの部で動脈性出血を確認し止血施行手術終了した。この症例においても後ほど救急医よりプレショック状態であるためCT施行せずその場で開腹をとの意見があった。 このように近年救急医の立場からの手術術式や手術のタイミングについて外科医である我々との違いを痛感した。救命第一は共通の認識ではあるが、救命したあとの患者の人生も考えることも重要である。また各施設での救急外来の状況や手術術者のスキルによって手術方針、術式も異なってくるものである。つまりどの治療が正解でとれが間違いであるとは一概には判断できないと思われる。今後は外科医、救急医の両者の意見を検討し建設的なAcute care surgeryの論議を深めることに取り組んでいくべきであると考えられた。
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