演題

PD-19-9

肝外胆管切除を伴う大量肝切除術後肝不全発生予測における予定残肝ICGK値の有用性に関する検討

[演者] 横山 幸浩:1
[著者] 江畑 智希:1, 伊神 剛:1, 菅原 元:1, 水野 隆史:1, 山口 淳平:1, 梛野 正人:1
1:名古屋大学腫瘍外科

肝外胆管切除を伴う大量肝切除術では、術後肝不全が高率に発生する。このような手術で術前に予定残肝予備能評価を行うことは、手術術式決定や手術関連リスク評価を行う上で非常に重要である。肝予備能評価項目として代表的なものに、CT volumetryによる残肝容量評価とインドシアニングリーン(ICG)排泄試験による肝代謝能評価がある。当科では肝外胆管切除を伴う大量肝切除術を数多く行っているが、その場合の予定残肝予備能評価基準として、残肝容量割合とICGK値の両者を組み合わせた、「予定残肝ICGK値」を一貫して用いてきている。本研究では、この「予定残肝ICGK値」が術後肝不全発生あるいは手術関連死亡を予測する因子として有用かどうかを検討した。2001年から2013年に行った肝外胆管切除を含む大量肝切除術のうち、術前に門脈枝塞栓術を行った440例を解析対象にした。疾患の内訳は、肝門部周囲胆管癌が334例、胆嚢癌が65例、肝内胆管癌が12例、良性疾患を含むその他の疾患が29例であった。International Study Group of Liver Surgeryによるgrade B以上の術後肝不全は147例(33%)に見られた。また手術関連死亡例は17例(3.9%)であった。術後肝不全発生と手術関連死亡を予測する予定残肝ICGK値のカットオフ値をReceiver Operating Characteristic曲線にて解析すると、各々0.067と0.072となり、この場合のarea under the curveは0.617と0.580であった。術後肝不全発生率は残肝ICGK値が低くなるにつれて高頻度となり、残肝ICGK値0.05以下では肝不全発生率が62%と高率であった。また残肝ICGK値が0.072以上の症例での手術関連死亡率は1.2%(n=2/165)であったが、0.072未満では5.5%(n=15/275)と有意に高かった(P=0.038)。残肝ICGK値は残肝予備能が低く、門脈枝塞栓術後に大量肝切除を行わなければならないような症例での術後肝不全発生および手術関連死亡予測に有用であると思われた。
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