演題

SP-6-4

小児外科領域におけるNCDの意義と課題

[演者] 米倉 竹夫:1
[著者] 宮田 裕章:1, 臼井 規朗:1, 古村 眞:1, 岡本 晋弥:1, 佐々木 隆士:1, 尾藤 祐子:1, 高安 肇:1, 家入 里志:1, 藤野 明浩:1, 藤代 準:1, 渡辺 栄一郎:1, 前田 貢作:1
1:日本小児外科学会データベース委員会

【はじめに】NCDは外科系専門医制度の連携と医療水準評価に基づく医療の質の向上を目的とした事業である。消化器外科や心臓血管外科領域では主な術式での解析結果もすでに報告され、今後はrisk calculatorの運用も予定されている。【小児外科領域におけるNCDの現状】日本小児外科学会の専門医・施設認定基準には、手術症例のほか新生児非手術症例の登録なども含まれている。そこで小児外科領域としては専門医制度と連携したNCDの構築を優先し、2011年の小児外科学会認定施設の手術登録はほぼ100%であることが確認され、2012年からはオンラインでの専門医制度申請が可能となった。【NCD-Pの構築】2013年より小児外科領域でも医療水準評価関連項目(NCD-Pediatric: NCD-P)の構築を開始した。小児外科領域でのmajor surgeryは新生児・小児特有の手術のほか消化器・胸部・泌尿生殖器など他領域にわたるが、わが国の各手術件数は大半が年間200以下である。しかし術前の合併疾患や病態は不良なものが多く、また死亡率は低いが治療成績やQOLに問題がある症例も少なくない。そこでその特殊性を考慮し、NCD-Pでは新生児手術・高難度手術・内視鏡下手術を対象術式とした200前後の医療水準評価項目を作成した。さらに将来的な国際共同研究を念頭に、アメリカのNSQIP-Pの項目も取り入れた。また日常疾患の術式に対しては、入力者の負担軽減のため、基本13項目に術前リスクや手術合併症を追加したものからなる簡易型のデータベースを構築した。2015年よりNCD-P の運用を開始する。【NCD-Pの意義と課題】小児重症例は稀少疾患が多くRCTが困難なことも少なくない。またわが国では個々の施設における手術件数が少なく、成績を海外に発信することは困難な状況にある。NCD-Pの意義としては、1) big dataとして質の分析に基づいた成績を国内外への発信が可能、2) 標準的治療の確立、集約化、棲み分けなどより良質な医療を提供、が挙げられる。一方、NCDの今後の課題としては、1) 2013年の小児外科専門医登録の分析によって小児領域として適切な術式が到達目標3に選ばれていない、2) NCD術式は成人手術を中心とした第8版外保連術式をベースとしているため、小児外科領域より臨床現場にフィットし国際比較が可能な小児外科領域のNCD術式の改訂が必要、3) 小児手術の質の評価を行うためには小児外科だけでなく成人外科もNCD-Pを用いたデータの入力が必要、が挙げられる。
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