演題

PD-18-2

胸腺上皮性腫瘍切除後再発に対する外科治療:日本胸腺研究会データベースに基づくレトロスペクティブ解析の報告

[演者] 水野 鉄也:1
[著者] 奥村 明之進:2, 淺村 尚生:3, 吉田 和夫:4, 丹羽 宏:5, 近藤 和也:6, 堀尾 裕俊:7, 松村 晃秀:8, 横井 香平:9
1:愛知県がんセンター中央病院呼吸器外科, 2:大阪大学呼吸器外科, 3:国立がん研究センター中央病院呼吸器外科, 4:信州大学呼吸器外科, 5:聖隷三方原病院呼吸器センター外科, 6:徳島大学胸部・内分泌・腫瘍外科, 7:がん・感染症センター都立駒込病院呼吸器外科, 8:国立病院近畿中央胸部疾患センター外科, 9:名古屋大学呼吸器外科

【はじめに】胸腺上皮性腫瘍切除例の7 - 22%に再発が認められることが知られており、切除後再発に対する標準治療はない。実臨床では切除後再発例に対する外科治療はしばしば用いられるオプションであるが、その有効性や適応に関して大規模データに基づく検証はなされていない。【目的】胸腺上皮性腫瘍切除後再発例に対する外科治療成績を明らかにして、外科治療の有効性、適応を検討すること。【対象と方法】日本胸腺研究会のデータベース事業において1991年~2010年の胸腺上皮性腫瘍切除例が32施設より登録された。78の臨床病理学的因子を集積し、切除後再発症例において再発治療群別(再切除群、非切除群)の背景、再発後生存について解析した。【結果】2835切除例がデータベースに登録され、切除後再発を420例(14.8%)に認めた。15例で再切除の有無が不明、残り405例のうち再切除が行われたのは162例、243例は非切除であった。405例の観察期間中央値は59.8月、生存例の観察期間中央値は73.3月であった。再切除例と非切除例の比較において、病期、組織型、重症筋無力症の合併、術前治療の有無、初回切除の根治性、再発までの期間、肝・骨転移割合に有意差を認めた。切除例と非切除例の再発後5年、10年生存率はそれぞれ82.7%、68.2%と43.5%、25.4%で、有意に再切除例の予後が良好であった(p<0.001)。再切除の根治性について、R0-1, R2切除例は非切除例に比して有意に予後良好であった(それぞれp<0.001, p=0.004)。さらに組織型別に見ると、胸腺腫におけるR2切除例の予後はR0-1切除例と非切除例の中間程度、胸腺癌においては非切除例と同等であった。再発切除例における単変量解析では、女性、正岡I-II期、非胸腺癌、初回切除前治療がないこと、recurrent free interval (RFI) が短いことが有意な予後良好因子であった。多変量解析では、組織型、RFIが有意な独立予後因子であることが明らかとなった (それぞれp=0.006, 0.035)。【結論】胸腺上皮性腫瘍切除後再発例において、再切除例の予後は非切除例に比して有意に良好であった。胸腺癌、RFIが短い症例においては再切除の意義は限定的であることが示唆された。
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