演題

PD-16-1

Conversion肝切除後の早期再発に関するバイオマーカーとしてのKi-67発現に関する検討

[演者] 林 洋光:1
[著者] 坂本 快郎:2, 宮本 裕士:1, 東 孝暁:1, 坂本 慶太:1, 坂田 和也:1, 大内 繭子:1, 徳永 竜馬:1, 中川 茂樹:1, 黒木 秀幸:1, 岡部 弘尚:1, 新田 英利:1, 橋本 大輔:1, 近本 亮:1, 石河 隆敏:1, 別府 透:2, 馬場 秀夫:1
1:熊本大学消化器外科, 2:熊本大学消化器癌集学的治療学

【目的】新規化学・分子標的治療の登場により切除不能大腸癌肝転移が化学療法後に切除可能となるConversion肝切除例が散見され一定の割合で根治が得られる一方で、術後早期再発が臨床上問題となっており、再発高リスク群の同定が求められる。本研究では、Conversion肝切除例における化学療法後残存腫瘍内のKi-67発現に着目して、早期再発のバイオマーカーとしての有用性について検討した。【対象と方法】2005年5月から2014年5月までに切除不能もしくは肝切除がmarginalな肝転移限局例で、Conversion肝切除例60例が対象(予後解析は術後1年以上経過例で検討)。同一期間の切除可能肝転移46例をcontrol群とした。肝切除までの化療期間は中央値で6コース。分子標的治療薬の併用率は55%。60例中58例(97%)でH.E.染色上癌細胞の残存を認め(pCR2例)、残存腫瘍における悪性度指標としてKi-67を評価した。【結果】60例の肝切除前の化学療法に対する奏効度はCR / PR / SD / PDがそれぞれ 2/ 37 / 16 / 5例であった。HEで腫瘍残存を認めた58例中62%の症例でKi-67の高発現(MIB-1 index > 30%)を認めた。術後1年以上経過した55例中30例(54%)で1年以内の早期再発を認め、Ki-67高発現群の無再発生存期間は平均で12.7ヶ月と低発現群の51.8ヶ月と比べて有意に不良であった(P < .01)。生存期間もKi-67高発現群は平均で45ヶ月と低発現群の71.5ヶ月と比べて有意に予後不良であった(P < .01)。SD・PDであった21例中では17例(81%)でKi-67は高発現しており、PRにおいても37例中17例(51%)で高発現していた。PR例のみの解析においても、Ki-67高発現群は有意に早期再発を示した(P < .01)。一方、化学療法なく切除可能な肝転移46例では、Ki-67高発現を67%に認めたが、再発・予後において低発現群と差はなく肝切除前CEAの値も差はなかった。【考察】Conversion肝切除後組織における残存腫瘍内Ki-67の高発現は、早期再発に関するバイオマーカーとして有用と考えられ、Conversion後Ki-67高発現例では補助化学療法の積極的な導入の必要性が示唆された。一方、そのような関連性は術前化学療法を伴わない切除可能肝転移例では認められなかった。
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