演題

SP-6-1

専門医制度におけるNCDの意義と課題

[演者] 北川 雄光:1
1:慶應義塾大学外科

2013年4月に厚生労働省「専門医の在り方に関する検討会」の最終報告が公表され、これまで(社)日本専門医制評価・認定機構によって策定されてきた専門医制度改革が本格化し、2014年5月新たな第三者機関である日本専門医機構が発足した。新設された総合診療専門医も含めた19の基本領域専門医の一つとして、外科専門医制度も新しい制度となり、2017年からの3年間の研修を経て2020年には最初の新制度外科専門医が誕生する予定である。日本専門医機構から示された専門医制度整備指針における最重要要件は、プログラム制の導入と診療実績による認定・更新システムである。基本領域専門医制度の中でも、外科専門医制度が採用しているNational Clinical Databese(NCD)による専攻医診療実績の登録、評価システム、専門医更新システムは他のどの評価制度に比べても客観性、信頼性の高いシステムとなっている。NCDは医療水準を的確に評価するためのデータベースとして創設されたが、2011年の登録開始後、3000を超える施設から130万件以上の登録を得られたのも、まさに外科専門医制度とリンクしたことが大きな要因となっていることは言うまでもない。今回、新たに脳神経外科がNCD に参画し、今後他の外科系専門医制度においても採用され、一層基盤が強化されることが期待されている。また、将来専門医あるいは専門医を育成・雇用する病院に対する診療報酬上の評価、いわゆるインセンティブを導入するにあたり、NCDから得られるデータは、専門医が手術に関与することによる短期・長期手術成績の向上、これによる医療経済効果を定量的に評価する手段としても極めて重要である。一方、NCDを安定的に維持運営するための財政基盤強化、悉皆性の更なる向上、信頼性の高い監査体制の構築、情報管理システムの強化、入力現場の負担軽減など克服すべき課題も山積している。現在、日本外科学会専門医制度委員会は日本専門医機構の基本領域専門医認定委員会、基本領域研修委員会と連携して実質的な新専門医制度の策定に精力的に取り組んでいるが、新制度においてもNCDに基づく評価システムを堅持し、さらに発展させ、活用していく所存である。
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