演題

PD-11-6

重症ASに対する術式選択と成績

[演者] 内藤 和寛:1
[著者] 福井 寿啓:1, 金 一:1, 田端 実:1, 高梨 秀一郎:1
1:榊原記念病院心臓血管外科

【目的】当施設のTAVI保険収載後の期間における、ハイリスク重症ASに対する外科的大動脈弁置換術(SAVR)と経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)の術式選択を振り返り、それらの短期成績を明らかにする。【対象】2013年10月1日から2014年5月31日の期間に当施設で行った80歳以上のAS患者に対する、SAVR(S群) 38例とTAVI(T群) 33例の合計71例。両群とも冠血行再建を併施した症例を含んだ。平均年齢84.8±3.5歳、女性43例(60.6%)であった。【方法】ハートチームカンファレンスにおいて、明確な医学的理由に基づき術式を振り分けた。その上で、両群間の患者背景とアウトカムを比較した。【結果】術式振り分けの理由は S群では、二尖弁・弁輪サイズなどの解剖学的理由 6例、腎不全・透析などの併存疾患 4例、中リスク 7例、低リスク 15例、緊急手術 6例であった。T群では、胸壁放射線治療後1例、悪性腫瘍・肺線維症など、SAVR不能な併存疾患 8例、高リスク 13例、中リスク 11例であった。両群(S群vs T群)の患者背景は、年齢 86.9±3.6歳 vs. 83.0±2.3歳 (p<0.0001), 女性 50% vs 73 % (p=0.049)で有意差を認めた。EuroSCORE IIは、10.1±15.6% vs. 5.7±4.0%であった(P=0.11)。30日死亡は2.6% vs. 3.0% (p=1.00), 在院死亡は2.6% vs. 0% (p=1.00), 症候性脳梗塞は0% vs. 3.0% (p=0.47)であった。全体のアウトカムは、30日死亡 2.8%, 在院死亡 1.4%, 症候性脳梗塞 1.4%であった。【結語】TAVIの遠隔成績が未知であり、かつ、中リスク以下の患者に対するSAVRの短期・遠隔成績が良好であることから、現時点では、SAVRが高リスクと予測される症例に限ってTAVIを選択した。その結果、SAVRおよびTAVIの短期成績は、いずれも良好であり、成績に有意差を認めなかった。当施設のASに対する術式選択は概ね適切であったと考えられる。今後、中期予後を明らかにすることで、高リスク症例に対するTAVIの適応選択を再考していく必要がある。また、低・中リスク群に対するTAVIの適応拡大は慎重に行う必要がある。
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