演題

PD-10-8

独自の外科的先進技術を駆使した高度脈管侵襲陽性肝癌に対する治療戦略

[演者] 福本 巧:1
[著者] 木戸 正浩:1, 武部 敦志:1, 田中 基文:1, 木下 秘我:1, 蔵満 薫:1, 福島 健司:1, 浦出 剛志:1, 宗 慎一:1, 外山 博近:1, 浅利 貞毅:1, 後藤 直大:1, 松本 拓:1, 味木 徹夫:1, 具 英成:1
1:神戸大学肝胆膵外科

((目的)高度脈管侵襲を伴う肝癌は脈管浸潤の種類や位置により高難易度手術となる。また根治切除がなされても既存の療法の効果は限定的で高率に再発を来たし、予後の改善には新たな治療法、治療戦略が必要とされている。我々はこのような肝癌の治療限界を克服するため脈管侵襲を高率に合併する両葉多発大型肝癌に対しては減量肝切除と経皮的肝灌流(PIHP)による2段階治療を、深部門脈腫瘍栓合併例にはBack Flow Thrombectomy(BFT)法を、主肝静脈や下大静脈浸潤を疑う減量肝切除困難例には術前PIHPによる3段階治療を、肝機能不良な進行肝癌には粒子線もしくはスペーサー手術と粒子線による体内空間可変粒子線治療を開発したのでその適応と成績について報告する。 (対象と方法) 2013年12月までの肝切除症例614例のうち両葉多発99例が2段階治療に登録され減量肝切除が施行された。その内10人が脱落し、89人にPIHPが施行された(60%がVp2以上)。3段階治療には12例が登録され全例に術前PIHPが施行されたが1例が脱落し、11例に減量肝切除が施行された。614例中Vp4は49例で全例に肝切除と腫瘍栓摘出が施行された(うち43例が減量肝切除で32例が2段階治療に登録、28例にPIHP施行)。体内空間可変粒子線治療には12人が登録され全例完遂した。(結果)2段階治療完遂89例の奏功率は69%(CR23例, PR38例)。1/3/5生率は99例全体で70%/28%/21%、MST19ヵ月、完遂89例で73%/31%/24%、MST20ヵ月であった。3段階治療登録12例中2例でCRが得られ1生率は68%、MST16ヵ月だった。Vp4例のPVTT摘出法として左右の門脈1次分枝の25例では通常のPeeling off法を、対側2次分枝以深18例を含む24例ではBFT法を用いた。術後3ヵ月でPeeling off法の5例(摘出部2例、末梢門脈3例)、BFT法の1例(末梢門脈)にPVTTの再発を認めた。Vp4合併49例全体およびPIHP追加28例の1/3/5生率は60%/18%/13%、MST15ヵ月および71%/24%/16%、MST18ヵ月であった。体内空間可変粒子線治療の12例の1生率は67%、MSTは17ヶ月であった。Vv3,11例の外科切除成績はMST8.9ヵ月、0.5年生率は100%、1生率は33.3%で同時期の粒子線治療の1生率61%、 3生率 37%より不良であった。(考察) 治療困難で予後不良な高度脈管侵襲を伴う肝癌でもPIHP、2段階治療、BFT法、3段階治療、粒子線治療、体内空間可変粒子線治療などの独自の先進技術を駆使するとことで予後の改善が可能となっている。
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