演題

SP-5-2

先進医療による新規医療技術の評価

[演者] 若林 剛:1
1:(前)岩手医科大学外科

先進医療とは2004年の厚生労働大臣と内閣府特命担当大臣等との「基本的合意」に基づき、国民の安全性を確保し、患者負担の増大を防止し、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、保険診療との併用が認められた新規医療技術である。また、先進医療は厚生労働大臣が定める「評価療養」に含まれ、有効性及び安全性を確保する観点から、医療技術ごとに一定の施設基準を設定し、施設基準に該当する保険医療機関は届出により保険診療との併用ができることとしたものである。なお、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、未だ保険診療の対象に至らない先進的な医療技術等と保険診療との併用を認めたものであり、実施している保険医療機関から定期的に報告を求めることとしている。 教室では、現在、ラジオ波焼灼システムを用いた腹腔鏡補助下肝切除術を先進医療B(旧高度医療)として、厚労省科学研究費を受託し主任研究施設となり多施設共同試験を実施中であり、また術後のホルモン療法およびS−1内服投与の併用療法も先進医療Bとして多施設共同試験の分担研究施設となり実施している。これまでに内視鏡下頸部良性腫瘍摘出術(先進医療BからAに変更)、腹腔鏡下肝切除(部分切除、外側区域切除)(先進医療から保険収載)、抗がん剤感受性試験などを行って来た。新規薬剤には第1相試験から第3相試験までの評価システムが厳密に適応されており、安全性と有効性が明らかになった後に認可され使用される。しかし、新規手術技術には同様の評価システムが無く、ある意味、外科医の裁量に任されていた部分がある。先進医療はこの観点からすると望ましいシステムであり、新しい手術が保険収載されるまでに通るべき正しい道筋とも言える。しかし、一方では欧米や韓国のようにロボット手術が進まない理由でもあり、新規医療技術の導入への時間がかかり患者負担が増える可能性もある。 先進医療による新規医療技術の評価について私見を交えて報告する。
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