演題

PD-10-1

高度脈管侵襲(Vp3-4)を伴う肝細胞癌の治療成績

[演者] 檜垣 時夫:1
[著者] 高山 忠利:1, 森口 正倫:1, 中山 壽之:1, 大久保 貴生:1, 緑川 泰:1, 宮崎 晃行:1, 金本 彰:1, 吉田 直:1, 阿部 勇人:1, 山崎 慎太郎:1
1:日本大学消化器外科

[目的]高度脈管侵襲(Vp3-4)を伴う肝細胞癌の治療成績を明らかにする。[対象と方法]1990~2013まで1318例中、Vp3-4肝細胞癌症例(n=95)に対して、手術(n=22)、肝動脈化学塞栓療法(n=50)、肝動注化学療法(n=23)による加療を行った。手術は肉眼的遺残なく切除可能なVp3-4. 肝動脈化学塞栓療法は全例Vp3, プロトコールはIAコール50~100mg/body( or エピルビシン)+リピオドール+ゼルフォーム。肝動注化学療法はVp4に施行、皮下埋め込み式リザーバーより5FU500mg/日を5日間投与11日休薬、またはIAコール50~100mg/bodyとした。①治療成績、②腫瘍栓進展度別および③治療法別で比較検討した。[結果]①治療成績: Vp3(n=16)の術後1, 3, 5年生存率はそれぞれ80%, 55%, 55%. Vp4(n=6)は17%, 17%, 0%. 全22例の出血量中央値は842ml(120-4491), 合併症率22%, 手術死亡0%, 無再発生存は3例(観察期間4~52M), 再発様式は肝14例、遠隔転移5例、胆管腫瘍栓1例。 肝動脈塞栓術の奏効率15%、病態制御率56% (CR/PR/SD: 1/7/21)、肝動注療法の奏効率21%, 病態制御率65%(CR/PR/SD: 2/3/10)。②進展度による比較:Vp3およびVp4の術後平均生存日数は1913日、198日であったが、有意差は認めなかった(p=0.08)。非手術療法のVp3とVp4の平均生存日数は164日、254日で、Vp4に対する肝動注化学療法の成績が、肝動脈化学塞栓療法を行ったVp3よりも良好であった。③治療法の比較:Vp3では手術が肝動脈塞栓術より有意に良好であったが、Vp4は手術と肝動注化学療法との間で有意差はなかった。非手術療法では、治療後1月目の腫瘍マーカーを追跡、かつ20%以上低下する症例(肝動脈化学塞栓療法、n=24/35)、 ( 肝動注化学療法、n=8/17)の平均生存日数は、それぞれ、281 vs 103日(p=0.0012)と773 vs 203日(p =0.0013)で、腫瘍マーカー低下する症例の成績が良好であった。[結語]Vp3は手術、Vp4は肝動注化学療法が第一選択。腫瘍マーカーの速やかな低下が得られない場合は別治療を考慮すべきである。
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