演題

PD-7-1

当科における小児腫瘍性病変に対する内視鏡外科手術の適応拡大とその限界

[演者] 宗崎 良太:1
[著者] 家入 里志:1, 木下 義晶:1, 古賀 友紀:2, 三好 きな:3, 久田 正昭:3, 孝橋 賢一:3, 小田 義直:3, 原 寿郎:2, 橋爪 誠:4, 田口 智章:1
1:九州大学小児外科, 2:九州大学小児科, 3:九州大学形態機能病理学, 4:九州大学先端医工学診療部

【背景】当科では内視鏡外科手術を2004年に導入して以降、様々な小児腫瘍性病変に対して内視鏡外科手術を行っている。当科の内視鏡外科の適応については、基本、摘出術は術前診断が良性のものとし、悪性腫瘍については生検にとどめている。しかし、神経芽腫や卵巣腫瘤においては、術前診断が難しいものや悪性であっても生物学的悪性度の低いものがある。今回、当科の内視鏡外科手術の現状をお示しするとともに、小児腫瘍性病変の内視鏡外科手術、特に腹部神経芽腫と卵巣腫瘤の適応と限界について考察する。【結果】当科で内視鏡外科手術導入後、201例の縦隔・腹腔内腫瘤の手術が行われ、42例(21%)が内視鏡外科手術であった。内視鏡外科手術が行われた疾患としては、神経芽腫群腫瘍や卵巣腫瘍、胃気管支原生嚢胞、腸間膜嚢腫、後腹膜・仙尾部奇形腫対する切除術、肝FNHに対する肝部分切除、虫垂カルチノイドに対する右半結腸切除などがあった。腹部神経芽腫については、のべ55回の生検・根治術のうち6回が内視鏡外科手術であった。腹腔鏡下手術を行った6例は、年齢16.7か月(3か月~28か月)、後腹膜原発が1例、副腎が5例。stage1が3例、stage3が1例、stage4が2例で、腫瘍サイズは3.7cm(1.8~6.0cm)で、術式は、3生月のstage3、IDRF陽性の後腹膜原発症例は、腹腔鏡下腫瘍生検を行ったが、他の5例はIDRF陰性で、腹腔鏡下副腎摘出術を行い全摘した。stage4の2例は、診断時年齢が1歳以下で、初回手術が後腹膜アプローチと胸膜播腫巣を胸腔鏡下に生検した症例であった。当科では根治術は、副腎原発症例のみとし、初回手術で開腹腫瘍生検を行った症例、IDRF陽性症例、MYCN増幅は適応外としているが、体格や生物学的悪性度を症例ごとに検討して適応を判断している。卵巣嚢腫・腫瘍については、65例のうち11例が内視鏡外科手術であった。11例中10例は1歳未満症例で、卵巣嚢腫の確認及び腹腔鏡下に穿刺吸引に用いていた。1歳以上の1例は、腫瘤形成性虫垂炎との鑑別に用いていた。悪性腫瘍は8例で、最年少は5歳の顆粒膜細胞腫であった。当科においては、1歳未満の症例は、腹腔鏡にて卵巣嚢腫を確認後、穿刺吸引を行っているが、それ以外の症例については、開腹手術を行うことを原則としている。【まとめ】小児腫瘤性病変に対する内視鏡外科手術は、整容性に優れ低侵襲性であるが、その適応は生物学的悪性度を考慮しながら慎重に判断していかなければならない。
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