演題

緩和医療における外科医の役割

[演者] 片山 寛次:1
[著者] 廣野 靖夫:2, 森川 充洋:2, 藤本 大裕:2, 小練 研司:2, 村上 真:2, 五井 孝憲:2, 飯田 敦:2, 山口 明夫:2
1:福井大学がん診療推進センター, 2:福井大学第一外科

【はじめに】緩和医療において外科医の役割は大きい.緩和医療が,がん診療の受診時から終末期ケアまで及ぶと同様に,外科的緩和治療はも全ての時期で必要である.主に積極的治療が奏功しない,いわゆる広義の終末期での外科医の役割について言及する.【目的】緩和的治療の第1の目的は,QOLの改善,維持,悪液質の予防.第2の目的は患者家族の希望する場所での療養である.【対象】終末期を,(1)前期:栄養療法を含むBSCを行えば生命予後が2ヶ月以上見込める場合.(2)中期:予後が2から数週間.(3)後期:予後2週間以内.これらは客観的にPPI, PaPscore等予後予測ツールを用いて判断.【方法】(1)前期:目標を設定し,栄養評価のうえで積極的に観血的治療;消化管バイパス,人工肛門,ステント,減圧PEG等を行う.HPN,HENなどの在宅栄養療法も考慮.悪性胸腹水に対しては,濾過濃縮再静注(CART)やシャントも有効.在宅緩和,栄養パスを用いる.(2)中期:患者・家族,(在宅)主治医,関係スタッフがチームとしてAdvance care planning (ACP) を行い,生命予後の評価,意思確認,今後の栄養療法を含めた治療方針について再評価.(3)後期:臓器不全,悪液質に対して,最低限の水分電解質補給と苦痛対策.【結果】近年,緩和ケアチーム(PCT)の外科医の役割は増加.PCT症例検討から婦人科や泌尿器科症例の腹膜転移や骨盤腔内腫瘍に対する人工肛門,バイパス手術が増加.また,耳鼻科や脳外科,口腔外科手術に際してや再発時の開腹胃瘻,腸瘻の依頼も増加している.難治性胸腹水に対するシャントやCARTも増大.結果,緩和ケアの在宅移行が増加している.【考察】現在も外科的処置の適応判断が遅れ,合併症を惹起して初めて紹介が多い.予後の把握ができないため在宅移行や必要な治療を行う時期を逸する.ACPが普及していない.在宅の資源不足等の問題点が挙げられる.【結語】PCTにはNSTの一員である外科医が参加することが望ましい.NSTや外科医を含む多診療科によるキャンサーボードを推進するべき.予後予測指標を用い,予想される予後に応じた目標設定を行うべきである.外科医はTNT等の栄養研修,緩和ケア研修受講は必修である.在宅緩和と栄養のパスは有効である.
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