演題

PD-3-2

切除適応・切除企図膵癌の治療戦略としての術前GS療法の意義:手術先行と比較した優越性

[演者] 元井 冬彦:1
[著者] 岡田 良:1, 川口 桂:1, 益田 邦洋:1, 青木 豪:1, 石田 晶玄:1, 薮内 伸一:1, 深瀬 耕二:1, 水間 正道:1, 坂田 直昭:1, 大塚 英郎:1, 森川 孝則:1, 林 洋毅:1, 中川 圭:1, 岡田 恭穂:1, 吉田 寛:1, 内藤 剛:1, 片寄 友:1, 江川 新一:1, 海野 倫明:1
1:東北大学消化器外科

背景: 切除膵癌の標準治療は補助化学療法である。しかし切除適応膵癌に手術を先行させた場合(切除企図)の成績は検証されておらず、手術先行が最良であるかは不明である。目的:切除適応・切除企図膵癌に対する術前GS療法の成績を手術先行と比較し、その意義を検証する。対象: 01〜13年に治療前画像上で遠隔転移・主要動脈接触のない膵癌265例中、手術先行(S群:197例)と術前GS療法(N群:43例)を行った240例。方法:両群の治療前因子(年齢, 性別, 主座, 切除可能性, CA19-9値)、治療指標(切除率, R0切除率, CA19-9値正常化率)を比較し、更に治療企図全例(Intention-to-Treat; ITT解析)、企図治療施行例(R0/1切除・遠隔転移なし・補助療法を術後3ヶ月以内に開始=Per protocol based; PPB解析)で、生存を比較した。結果: S, N両群の治療前因子は、年齢(p=.85), 性別(p=.10), 腫瘍主座(p=.95), 切除可能性(p=.37), CA19-9値(p=.33)に有意差はなかった。S, N両群の治療指標は、切除率(84%vs88%, p=.64), R0切除率(71%vs81%, p=.16)で有意差はなく、CA19-9正常化率(56%vs71%, p=.064)はややN群が高かった。ITT解析による生存期間中央値(MST)は、S群20.4ヶ月, N群37.0ヶ月であり、1, 2, 3, 5年生存率はS群72, 43, 34, 20%に対し、N群90, 65, 56, 40%で、有意にN群が良好であった(p=.0083)。S群108例(55%), N群28例(65%)がPPB解析対象で、PPB解析によるMSTは、S群27.3ヶ月, N群は未到達、1, 2, 3, 5年生存率はS群81, 55, 45, 34%に対し、N群96, 81, 73, 52%で、N群で有意に良好であった(p=.028)。考察: 手術先行では切除企図中の企図治療施行例は約半数のみで、ITT・PPBで生存率に乖離がある。術前GS療法は企図治療例を増加させ、PPBの生存率も良好で、ITT解析で手術先行より有意に生存期間を延長する優れた治療戦略と考えられた。現在進行中の多施設共同前向き比較試験(Prep-02/JSAP-05)で、術前GS療法の意義とともに、手術先行の実態(企図治療施行率)が明らかになることが期待される。
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