演題

PD-3-1

切除後膵癌に対する補助化学療法のエビデンス:JASPAC 01を中心に

[演者] 上坂 克彦:1
[著者] 小西 大:2, 松本 逸平:3, 金岡 祐次:4, 清水 泰博:5, 中森 正二:6, 坂本 裕彦:7, 森永 聡一郎:8, 貝沼 修:9, 今井 浩二:10
1:静岡県立静岡がんセンター肝胆膵外科, 2:国立がん研究センター東病院肝胆膵外科, 3:神戸大学肝胆膵外科, 4:大垣市民病院外科, 5:愛知県がんセンター中央病院消化器外科, 6:国立病院大阪医療センター外科, 7:埼玉県立がんセンター消化器外科, 8:神奈川県立がんセンター消化器外科, 9:千葉県がんセンター消化器外科, 10:旭川医科大学消化器病態外科

【背景とJASPAC 01の目的】CONCO-001やESPAC-3などの結果から、2012年までは膵癌の術後補助化学療法の標準治療はゲムシタビン(GEM)であった。JASPAC 01試験「膵がん切除後の補助化学療法における塩酸ゲムシタビン療法とS-1療法の第Ⅲ相比較試験」は、膵癌切除後の補助化学療法として、GEM療法に対するS-1療法の生存期間における非劣性を検証することを目的とした。【JASPAC 01:対象と方法】主要評価項目は生存期間、副次的評価項目は、無再発生存期間、有害事象発生割合、健康関連QOLとした。R0またはR1切除後の膵癌症例をGEM群(GEM 1000mg/m2を第1、8、15日目に経静脈投与、4週を1コースとし、6コース施行)かS-1群(体表面積に応じて1回量40mgまたは50mgまたは60mgのS-1を1日2回、4週連続投与し2週休薬、6週を1コースとし4コース施行)に無作為に割りつけた。2007年4月から2010年6月までに、日本の33施設から385名が登録され、2012年7月までの追跡データで中間解析が行われた。解析は、378名(GEM/S-1: 191/187)の最大解析集団を対象とした。【JASPAC 01:結果】両群の背景因子に差はなかった(GEM/S-1, R0: 86%/88%, N0: 38%/36%)。2年生存率は、GEM/S-1: 53%/70%で、S-1のGEMに対するハザード比(HR)は0.56 (95% CI, 0.42-0.74, p<0.0001 非劣性, p<0.0001 優越性)であった。2年無再発生存率はGEM/S-1: 29%/49%で、S-1のGEMに対する再発についてのHRは0.56 (95% CI, 0.43-0.71, log-rank p<0.0001)であった。Grade 3/4の有害事象(GEM/S-1)は、白血球減少39%/9%、血小板減少9%/4%、下痢0%/4.8%などであった。【結論】JASPAC 01の結果、膵癌術後補助療法においてS-1はGEMに対して全生存における優越性を示し、S-1は膵癌術後補助療法の新しい標準治療となった。
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