演題
PD-2-7
cT3/nearly T4食道癌に対する集学的治療戦略−治療効果と安全性の両立を目指して− |
【目的】局所進行食道癌に対する治療戦略を構築する。【方法】検討I: cT3/nearly T4食道癌183例を、手術単独例(A群:84例)、術前CRT例(B群:99例)に分け検討した。検討II:サルベージ手術24例を、cT1-2例(C群:12例)、cT3/nearly T4例(D群:12例)に分け検討した。【結果】検討I:A、B群の合併症は25%、43%で、多変量解析でB群が2.4倍のリスクであった。B群で組織学的治療効果別に検討したところ、5生率はGrade3(21例)が85%と良好であった(Grade0,1 vs 2 P<0.05、Grade2 vs 3 P<0.05)。検討II: D群では42%が非治癒切除であった(P<0.05)。C、D群の合併症は33%、83%(P<0.05)、D群で在院死17%であったが、2期手術の6例に在院死を認めなかった。【結論】cT3・nearly T4食道癌に対して、術前CRTで組織学的著効を得ることが重要である。サルベージ手術において治癒切除例では長期生存が期待できるが、安全性を重視した手術が必要である。