演題
研修医・医学生ポスターセッション
2015-04-18 09:30 - 11:00
RS-12-2
肺癌術前のPET-CTで指摘し得なかった骨病変が術後急激に増悪し,診断と治療に苦慮した1例 |
【序文】肺癌手術前に行ったPET-CTで指摘し得なかった骨病変が術後急激に増悪し,診断と治療に難渋した症例を経験した.【症例】77歳女性.胸部CTで右肺下葉の結節と脊椎・肋骨に小結節状の骨硬化像を数か所認めるもPET-CTで肺腫瘤の異常集積以外の病変を指摘できず,cT1bN0M0-IAの原発性肺癌として右肺下葉切除術+ND2aを施行した.病理診断はpT1bN0MX-IAの腺癌だった.各種画像検査では確定的な診断には至らず,肺癌術後92日目に骨生検を行った.病理診断は印環細胞様腺癌で,その後の上部消化管内視鏡検査では胃体中部にtype 2 胃癌が指摘された.病理診断は骨病変と一致した印環細胞癌だった.更に嘔気が急激に進行したため,精査すると生検にて胃癌に類似した低分化癌が検出された十二指腸狭窄に対し胃空腸バイパス術を施行した.現在加療中.【結語】結語:PET-CTには偽陰性もあり,万能ではないので癌の診断においては過度に信頼しない事が大事である.