演題

肝移植後胆管空腸脚への内ヘルニアによる空腸脚血流障害に対し、空腸空腸吻合、胆道ドレナージにて軽快し得た1例

[演者] 坂本 聡大:1
[著者] 後藤 了一:1, 川村 典生:1, 腰塚 靖之:1, 高橋 徹:1, 鈴木 友己:1, 神山 俊哉:1, 山下 健一郎:2, 武冨 紹信:1, 嶋村 剛:3
1:北海道大学消化器外科I, 2:北海道大学 移植外科, 3:北海道大学 臓器移植医療部

肝移植後の胆道再建空腸脚への内ヘルニアを契機に挙上脚の血流障害を生じ、空腸脚部分切除、空腸空腸吻合にて胆管空腸再吻合を回避しえた症例を経験したので報告する。症例は44歳、男性。FAPに対して左葉グラフトによる生体肝移植術を施行。移植2年後に絞扼性イレウスの診断で緊急手術となり、挙上空腸脚背側に小腸が迷入した内ヘルニアを認め、ヘルニア整復を施行。術中内視鏡検査にて胆管空腸吻合部より15 cm下方に粘膜面の壊死所見を認め、胆管空腸吻合を温存し壊死小腸を切除、空腸空腸吻合を施行した。再開腹1月後に胆管空腸吻合部の空腸狭窄と肝内胆管拡張を認め、PTBDを施行した。その1年後に狭窄部をバルーン拡張し、tubeを抜去し得た。肝移植後の胆管空腸脚への内ヘルニアは11例報告され、1例の死亡例が報告されている。胆道再建の判断に苦慮した症例であったが、胆管空腸再吻合のリスクを考慮し、術後の保存的加療により軽快した症例を経験した。
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