演題

SY-23-4

PVO予防の観点からみた総肺静脈還流異常修復術式の選択

[演者] 芳村 直樹:1
[著者] 日隈 智憲:1, 松尾 辰朗:1, 坂田 公正:1, 名倉 里織:1, 峠 正義:1, 仙田 一貴:1, 武内 克憲:1, 土岐 善紀:1, 山下 昭雄:1, 深原 一晃:1, 市田 蕗子:2
1:富山大学第一外科, 2:富山大学小児科

【目的】総肺静脈還流異常(TAPVC)の病型、術式別にPVO発生状況を検討。【対象】2005年以降、TAPVC修復術を施行した28例中、術死2例を除く26例。二心室(2V)症例:19(Ia:7,Ib:1,IIa:3,IIb:3,III:5)、単心室(1V)症例:7(Ib:3, IIb:1,III:3,全例無脾症)。初回手術の日齢:0~228 (中央値:7) 日、体重:1.5~6.3(3.1)kg。2V症例に対する初回手術はIa&III:共通肺静脈(PV)-左房(LA)吻合、IIa:cut back、Ib&IIb:3例に心房内血流転換、1例に左PV-LA吻合。1V症例に対する初回手術は、初期の2例:乳児期共通PV-心房吻合、最近の5例:新生児期primary sutureless repair。【結果】[2V症例]極端にLAが狭小であった1例が病院死。IIbの1例が左PV-LA吻合後にPVOを生じ再手術後に遠隔死。他のIa、IIa、III症例は経過良好でPVO(-)。術後6カ月のPV流速(n=13):1.1±0.2m/s、術後1年の平均肺動脈圧(n=10):14.3±2.0mmHg。心房内血流転換後のIb、IIb各1例がPVOを生じ、sutureless法によるPVO解除を施行。以後の経過は良好。[1V症例] 共通PV-心房吻合後の2例はbranch PVOを生じ、各々Glenn前、TCPC後にsutureless法によるPVO解除を施行。以後の経過は良好。新生児期primary sutureless repair後の5例中1例は房室弁逆流により、3カ月後に病院死。他の1例は椎体による圧迫のためbranch PVOを生じ、TCPC時とTCPC後10か月時にsutureless法によるPVO解除を施行。術後6カ月のPV流速(n=4):1.3±0.4m/s、Glenn前の平均肺動脈圧(n=4):14.7±1.0mmHg。【考察】[2V症例]Ia&III型に対する共通PV-LA吻合、IIa型に対するcut backの成績は良好でPVO(-)。Ib&IIb型には共通PV-LA吻合が望ましいが、共通PVが存在しない、LAとの距離が遠い等の理由で心房内血流転換が行われることが多い。しかし、PVOによりPVが拡大した後はsutureless法によりPVOを解除し得た。[1V症例]病型に関らず新生児期にprimary sutureless repairが可能で、術後も良好に経過。病型、primary、secondaryに関らず、sutureless repair後のPVO発生は椎体による圧迫の1例のみ。【まとめ】1)Ia、IIa、III型の2V症例は従来法による修復術で良好に経過した。2)Ib、IIb型の2V症例には可能な限り共通PV-LA吻合を行うことが望ましいが、実際には心房内血流転換が選択されることが多い。この場合はPVO発生に注意し、速やかにPVO解除を行う必要がある。3)1V症例には病型に関係なく新生児期primary sutureless repairを行う方針である。
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