演題
RS-1-1
腹腔鏡下内肛門括約筋切除術後に下肢のAcute compartment syndrome(ACS)を来した2症例 |
はじめに:手術中の体位が原因となるAcute compartment syndrome(ACS)は希である.今回,腹腔鏡下内肛門括約筋切除術(ISR)後に下肢のACSを来した2症例を経験したので報告する.症例1:進行下部直腸癌の40歳代男性.肛門温存の希望が強く,術前補助化学療法(NAC)後にISRおよび両側側方リンパ節郭清術を施行した.術直後より左下肢の疼痛および下肢内圧の上昇を認めた.ACSの診断で発症後7時間に減張切開術を施行した.症例2:進行下部直腸癌の50歳代男性.リンパ節転移を認めNAC後にISRおよび両側側方リンパ節郭清術を施行した.術直後より左下肢に疼痛および下肢内圧の上昇を認め,ACSの診断で発症後9時間に減張切開術を施行した.両症例とも長時間手術,術中体位の影響がACS発症の原因と考えられた.まとめ:砕石位を伴う長時間手術症例ではACSを念頭に置く事が重要と考えられた.