演題

SY-23-2

先天性心疾患再手術回避のための手術術式の工夫

[演者] 山岸 正明:1
[著者] 宮崎 隆子:1, 前田 吉宣:1, 山本 裕介:1, 浅田 聡:1, 加藤 伸康:1, 山下 英次郎:1, 夜久 均:2
1:京都府立医科大学小児医療センター小児心臓血管外科, 2:京都府立医科大学心臓血管外科

【はじめに】先天性心疾患は術後フォローアップ期間が長く、その経過中に心血管系の成長不全や心腔内および血管内での乱流による狭窄病変の発生および房室弁、半月弁逆流の発生・増悪などを来す可能性がある。さらに血管脆弱性に起因する大動脈の拡大やFontan術後の肝不全等も指摘されている。これらの問題に対して自己組織の最大限の利用、流体力学的に無理のない立体的な形態再建、必要最小限の人工物補填による修復等が再手術を回避する方策と考えている。今回、われわれが行っている術式を報告する。【立体的な形態再建術式・自己組織利用】①心臓型総肺静脈還流異常症(TAPVR IIa型)に対する左房後壁転位術:共通肺静脈(CPV)前壁と左房後壁をU字状に切開し心房中隔に転位し、CPVを直接左房に開口させる。CPV-LA開口部の狭窄なし。②部分肺静脈還流異常症(PAPVR)に対するdouble decker法:SVC上壁をSVC内腔に転位、SVC上壁(外壁)に右心耳を被覆しSVC還流路作成。SVC狭窄、PVOなし。再手術例なし。③TGA(III型)に対するHalf-turned truncal switch手術:両半月弁を一塊として切除し反転して対側の流出路に吻合。両心室流出路狭窄の再発と再手術なし。④Norwood手術における主肺動脈(PA)延長術:PA分岐部を切除した欠損部を縦方向に吻合して主PAを延長し、大動脈弓に吻合。中心PAおよび気管狭窄予防が期待できる。⑤VSD/PA/MAPCAに対するY字状自己心膜rollによる中心PA形成:自己心膜rollをY字状に形成。中心PA狭窄による再手術例なし。⑥大動脈離断に対する自己肺動脈rollによる大動脈弓再建:大動脈(Ao)直接吻合による気管狭窄を回避するため、主PA壁による血管rollを作成し、上行-下行Ao間に補填。気管狭窄なし。【適切な人工物補填】fan-shaped ePTFE valve付bulging sinus patch/conduitによる右室流出路再建:PR回避による右心機能温存、再手術(PVR)回避。Conduitの再手術回避率は5年98.2%、10年95.5%。Patchの再手術回避率は5年97.0%、10年90.3%。【考案】これらの術式によりほぼ理想的な形態が再建でき、再手術を可及的に回避できると思われる。今後、さらなる長期の経過観察ならびに再生医療による代用血管・弁の開発が必要である。
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