演題

SY-22-1

局所高度進行直腸癌に対する術前化学療法

[演者] 上原 圭介:1
[著者] 有元 淳記:1, 加藤 健宏:1, 中村 勇人:1, 神谷 忠宏:1, 江畑 智希:1, 横山 幸浩:1, 國料 俊男:1, 角田 伸行:1, 伊神 剛:1, 菅原 元:1, 深谷 昌秀:1, 水野 隆史:1, 山口 淳平:1, 中山 吾郎:2, 小寺 泰弘:2, 梛野 正人:1
1:名古屋大学腫瘍外科, 2:名古屋大学消化器外科

(背景)局所高度進行直腸癌(LARC)に対する本邦の標準治療は手術+術後補助化学療法(Adj)であるが、その治療成績は満足いくものとは言い難く、新しい集学的治療体系の確立が切望されている。一方、欧米で標準とされるFUベース術前化学放射線療法には予後改善効果はないとされ、予後改善には強力な化学療法を如何に導入するかが鍵となる。手術侵襲が高いLARCでは、Adjが計画通り施行できないことも少なくない。我々はLARCに対し、RTを併用しない術前化学療法(NAC)を導入してきたので、その治療成績を示す。(N-SOG 03 study)LARCに対するNACとしてのXELOX + bevacizumab (BV) (4 cycle)の安全性・有効性を検証したPII試験で、切除された30例でのGood Responder (G2以上)は36.7%、pCR例は13.3%と良好な局所効果を示した。一方で、術後縫合不全などBV関連合併症率は予想外に高かった。(術前BVの意義)当科でLARCに対し術前NACを施行した60例の検討では、BV使用群(n=37)で非使用群(n=23)と比較し有意に高いORR (67.6% vs.34.8%, p=0.017)が得られたが、病理学的奏功率では有意差を認めなかった(35.1% vs. 34.8%)。(画像診断による治療効果予測)当科でNAC前後にMRI・FDG-PETを行った40例を対象とし、画像因子と病理学的奏功につき後ろ向きに検討した。16例(40%)が奏功例、24例(60%)が非奏功例。ROC解析でMRI T2画像のNAC後の腫瘍体積減少率(ΔMRI-TV)(AUC=0.853, p<0.001)が病理学的奏功例を予測する良い因子であった。また、FDG-PETにおけるNAC前後のSUV値減少率(ΔSUVmax)(AUC=0.719, p<0.020)も良い予測因子であった。術前にNACの非奏功が予測され、かつR0切除が厳しいと判断される症例では、CRTの追加もオプションであり、個別化治療への応用が可能と考える。(結語)LARCに対するNACでは期待以上の局所制御効果が得られた。しかし非奏功例も多く、あらゆる症例がNACのみで十分とは言い難い。化学療法・放射線治療の治療効果予測を行い、個別化治療へ向かうことが今後の課題である。
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