演題
OP-285-3
肝細胞癌における悪性度診断の新手法 |
[背景と目的]超音波による肝細胞癌悪性度評価の報告は稀である。我々は、超音波造影剤の到達時間をcolor mappingで解析するArrival-time Parametric Imaging (以下At-PI)を用いた新手法を考案したので報告する。[方法]2006年1月より2014年3月までに当科で施行された術中超音波画像のうちAt-PIで解析可能な33症例を対象とした。描出された腫瘍を関心領域(ROI)として経時的血流分布からヒストグラムを作成、これを曲線S=1-exp(-t/T)で近似し時定数Tを求め、臨床病理学的因子を解析した。[結果]「再発なし群」「肝内再発群」「遠隔再発群」の3群にわけたT値はそれぞれ1.78±1.0、1.17±0.5、2.64±0.8となり「遠隔再発群」に対してそれぞれp=0.029、p=0.002と有意差を認めた。また、「遠隔再発群」のParametric Imageは腫瘍内部を貫通するような特徴的な血流の分布を認めた。[結論]新手法により肝細胞癌の悪性度を評価することが可能であった。