演題
OP-284-4
Non-B Non-C肝癌における代謝関連因子の臨床病理学的検討 |
【目的】Non-B Non-C(NBNC)肝癌は近年増加しており、発癌リスクとして生活習慣病やアルコール多飲などの代謝関連因子の関与が注目されている。【方法】初回肝切除を施行した肝細胞癌602例についてNBNC肝癌とウイルス性肝癌の臨床病理学的特徴について比較検討した。【結果】内訳はB型109例、C型302例、NBNC187例、重複感染は4例であった。NBNC肝癌はC型肝癌に比べて有意に男性に多く、B型肝癌に比べて高齢発症であり、背景肝は硬変肝が少なかった。NBNC肝癌の予後は、B型肝癌・C型肝癌に比べて無再発生存期間、全生存期間とも有意に良好であった。肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症、アルコール多飲等の代謝関連因子の合併率はすべてNBNC肝癌で高かった。また、生活習慣病の4因子の1因子でも合併している割合は、36.7%,65.5%,80.2%とNBNC肝癌で多かった。【結語】当院症例の解析の結果、代謝関連因子がNBNC肝癌の発癌リスクとなる可能性が示唆された。