演題
OP-283-8
左肝管は右肝管よりも本当に長いか? ~外科的切除標本、CT画像からの検討~ |
【背景】従来、左肝管は右肝管より長いとされ、肝門部胆管癌には右側切除が第一選択とされてきたが、実際に肝管の長さを測定した報告は無い。【方法】1) 切除標本の検討:肝門部胆管癌475例を対象に、生標本写真上で胆管切除長を計測した。2) 放射線学的検討:下部胆管閉塞61例を対象に、CTから構築した3D胆管像上で胆管切除長を計測した。【結果】1)右葉切除(n=167)14.9±5.7mm、右三区域切除(n=37)25.1±6.4mm、左葉切除(n=149)14.1±5.7mm、左三区域切除(n=122)21.3±6.4mm。2)右葉切除22.4±7.1mm、右三区域切除34.1±7.8mm、左葉切除20.8±4.8mm、左三区域切除31.6±5.3mm。どちらの検討でも、左葉切除vs右葉切除で有意差は無く、右三区域切除vs右葉切除、左三区域切除vs左葉切除、左三区域切除vs右葉切除で有意差を認めた。【結語】左肝管は右肝管よりも長いと言うのは偏見であり、Bismuth IV型癌に盲目的に右側肝切除を選択すべきではない。