演題
OP-276-6
腹腔鏡下肝切除術における術中出血に対する予測因子の検討 |
【目的】腹腔鏡下肝切除における術中出血量の予測因子について検討した。【対象・方法】2010年6月から2014年7月まで当科で施行した腹腔鏡下肝切除の113件のうち、他に同時に行われた術式がない89例をに対し、術中出血量の予測因子について検討した。【結果】平均年齢66歳、男性67例、女性22例であった。術中出血量が400gを超える因子を抽出するためロジスティック回帰分析を行うと、単変量解析において、ALT、最大腫瘍径、肝臓切除範囲、予測肝離断面積が抽出され,多変量解析では、予測肝離断面積のみが独立因子に抽出された。切除範囲が広い症例を検討すると,断面積当たりの出血量と4型コラーゲン7Sの値に相関を認め,400g以上の出血症例は有意に4型コラーゲン7Sの値が高かった。【考察・結語】腹腔鏡下肝切除の予測出血因子に肝離断面積が抽出された。また、切離断面積の広い症例に対しては、4型コラーゲン7Sの高い症例に出血リスクが高い可能性がある。